2009年9月9日水曜日

話し方で印象アップ 表情豊かにしっかり発声 相手の言い分否定は×

(日経 8月26日)

電子メール全盛の時代だが、取引先との商談や社内の会議など
「フェース・トゥー・フェース」のコミュニケーションは今も欠かせない。
内容は立派でも、話し方が下手なために、
相手に悪い印象を与えるようではもったいない。
どのような話し方をすれば、印象が良くなるのか?

「話し方は訓練で変えられる」
インターネットを通じて、話し方を指導する
ウェブスクールドットティービー社長の羽田徹さん。

週に何本もラジオのレギュラー番組を抱える
売れっ子ディスクジョッキーだが、ラジオ局の制作担当社員として
働いていた6年半前は、話すことに自信を持てなかった。

ナレーションの学校に通って自信をつけた羽田さんは、
ラジオ局からある企業に営業マンとして転職、
トップクラスの成績をあげた。
羽田さんは自らの体験をもとに、好印象を与えるためのポイントを
4つにまとめている。

まず、表情を豊かにすること。
羽田さんの生徒に、技術者として働くAさん(30代)がいる。
以前は声のトーンが低く、語尾もはっきりせず、
同僚とのコミュニケーションがうまく取れずに悩んでいた。
羽田さんが指導したのは、相手が親しみを持てる表情作り。

顔の筋肉をよく動かすように心がけ、ほおを上げるように意識。
指が縦に3本入るくらい、口を大きく開けて話すと、表情が豊かに。

間違いやすいのが、口角を引き上げて笑顔を作ってしまうこと。
目は冷静なままなので、笑顔が不自然に。
ほおを上げれば目尻が下がり、柔和な表情になり、
優しい印象を与えられる。
声も明るく、聞き取りやすくなる。

次のポイントが、低くしっかりとした発声。
「を」、「が」、「の」などの助詞と、文章の末尾の音を下げると、
相手の耳に心地よく響く。
逆に上げて話すと、だらしなく聞こえてしまう。

この話法を身につけるには、低い音を支える発声が必要で、
腹式呼吸によって可能に。
肩を上げずに行う腹式呼吸は、初心者には難しいかもしれないが、
通勤電車のなかでも練習できる。
息を吸い込み、歯の間から細い息を30秒間出すことができたら合格。

3つ目のポイントは、緩急。
中小企業を経営するBさんは、社員を前に話すことが多い。
社員をひきつけるスピーチをしようと意気込んでいたが、
話し方が上手でないと思っていたこともあり、緊張してしまい、
うまくいかなかった。

羽田さんがアドバイスしたのは、数字や重要なキーワードの部分だけ
ゆっくりと力強く話すやり方。

こうすると、伝えたいことが聞き手の記憶に残りやすくなる。
逆に、あまり重要でない部分は「聞こえない程度でも構わない」
大事なことを話す前に、間を置くのも効果的。
メリハリを付けることで、相手の注意を引きつけられる。

4つ目のポイントは、初対面の人に対するときの留意点。
静かに話したい人なのか、にぎやかに話したい人なのかを見極めよう。
ペースやトーンを相手に合わせる。
「相手も話しやすくなり、良い印象を持ってもらいやすくなる」

やってはいけないことも、押さえておきたい。
「それはちがいます」と相手の言い分を否定したり、
相手の話をさえぎったりすると、印象は一気に下がってしまう。

◆前置き短く、本題ゆっくり

「なくて七癖あって四十八癖」とあるように、
人の話し方には何らかの癖がある。
個性の象徴とも言えるが、ビジネスでは相手に悪い印象を
与えてしまう場合もある。

食品会社に勤めるCさんの悪い癖は、前置きが長くなること。
営業担当として、取引先に新商品の良さを伝えるのが
Cさんの仕事だが、あいさつや、これまで扱ってきた商品の説明に
長い時間を割いてしまい、相手を退屈させてしまう。

「前置きが長い人は親切な人が多い」
ビジネスパーソンに効果的な話し方を指導する
話し方研究所会長の福田健さんはこう分析。
丁寧に伝えようとする思いやりが、裏目に出ている。

Cさんが、前置きを手短に切り上げるにはどうすればよいか?
福田さんは、「事前にファクスやメールで訪問の趣旨を伝えたり、
資料を郵送したりしておくと、すぐに本題に入りやすくなる
こうしておけば、先方に分からない点や確認したい点があれば、
Cさんに質問するはず。

Cさんとは逆に、結論を急ぐために、つい早口になってしまう人も。
スピーチコンサルタントで、総合情報サイト「オールアバウト」で
話し方に関する記事を書いている立川亜美さんは、
「相手が自分の話したことを理解するペースは、それほど速くない。
自分がじれったくなるぐらい、ゆっくりと話すのがよい」とアドバイス。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090825.html

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