(毎日 2008年11月18日)
県は、県立病院や06-08年に診療所化した地域診療センター6カ所で、
入院施設を廃止する無床化を柱にした「新しい経営計画」案を明らかに。
年間病床利用率が70%を割り込むなど、経営が厳しい施設で機能を
縮小・集約化し経営改善を図る。
併せて、市町村立病院に無床化などの検討を求める
公立病院改革推進指針案も公表。
これまで、公立病院等改革検討委員会(委員長・斎藤俊明県立大教授)などで
検討してきたが、いずれも議論は非公開。
突然の縮小案に、地元の反発は必至だ。
県医療局、保健福祉部が、県議会に明らかにした。
パブリックコメントを行った後、来年1-2月に新経営計画や指針を策定。
来年度からの実施を予定。
計画案によると、沼宮内病院は10年に、
紫波、大迫、花泉、住田、九戸の各地域診療センターは09年に無床化。
空き病床が多い基幹病院などでも、病床を削減。
県内全体で396床を減らし、5155床にする。
県議からは、「診療所化に際し、医師3人体制を守ると約束したはず」
といった批判が相次いだ。
達増拓也知事は、「診療所の夜勤が勤務医の負担になっている。
集約化で負担を減らせる」と説明。
「岩手の医療は危機的状況だ」と理解を求めた。
県立病院を巡っては、患者数の減少や診療報酬引き下げの影響で
06、07年度に10億円前後の赤字を計上。
07年度は経常収支比率98・8%、病床利用率79・1%まで減少。
医療局は、新計画によって13年度には、経常収支比率は101・6%、
病床利用率は84・1%まで回復すると試算。
指針では、病床利用率が低いなどとして、
国保西根(八幡平市)、国保沢内(西和賀町)、国保種市(洋野町)の
3病院で病床削減を検討するよう求めたほか、
累積欠損金が増大している奥州市総合水沢病院についても
「過剰となっている機能の見直し」などが必要。
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◇病床を削減する県立病院・地域診療センター◇
現在 削減数 削減後
沼宮内※ 60 60 0
紫波※ 19 19 0
中部(仮称) 452 18 434
遠野 221 29 192
大迫※ 19 19 0
千厩 194 40 154
花泉※ 19 19 0
大船渡 489 30 459
高田 70 13 57
住田※ 19 19 0
宮古 387 53 334
久慈 342 42 300
二戸 300 16 284
九戸※ 19 19 0
※は無床診療所化される施設
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83119
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