(岩手日報 11月27日)
仕事以外の自由な時間が短い人ほど、精神健康度は低い―。
独立行政法人労働者健康福祉機構、岩手産業保健推進センター(石川育成所長)
が行った約4000人への調査結果で明らかに。
営業職や現場管理職は、他の業種に比べて精神健康度が低い結果も。
過重労働によるストレスが引き起こす自殺などの問題解決には、
職種による特徴を踏まえた、きめ細かい対策が必要。
「仕事にやる気が出ない。もう辞めたい」。
同センターの鈴木満・産業保健相談員(岩手医大神経精神科学講座准教授)は、
県内の30代の専門職男性から相談を受けた。
男性の1カ月の超過勤務時間は、約160時間。土日も休まず働いていた。
食欲がなく眠れない、悲観的に考えるなど、うつ状態がみられたため、
診断書を書いて職場の環境調整を図った。
残業を減らして休日を増やしたところ、男性は徐々に回復し、
約2カ月で元気を取り戻した。
働きすぎて燃え尽きる、この男性のような相談は、後を絶たない。
同センターは、自殺が過重労働と密接な関連があることなどから
実態調査を実施。
異なった事業所でも長時間労働や交代制、仮眠所での睡眠のような
過重労働因子は職種によって共通点があり、
職種によって精神健康度に差が出た。
1カ月の平均超過勤務時間は、45時間未満が73・1%、
40―80時間は17・9%、80時間以上は5・7%。
1カ月の休暇が3日未満は6・1%、3、4日11・1%、5、6日24・6%、
7、8日44・4%、9日以上が12・7%、無回答は1・1%。
超過勤務時間の長い人は精神健康度が低く、休暇の少なさも
精神健康度に悪影響を与える結果となった。
同センターは、「超過勤務時間が増えることで、睡眠時間が短くなることも一因」
メンタルヘルス上の問題について、
相談機関利用者が9・0%にすぎないことも判明。
鈴木相談員は、「心の病を原因とする休職は長期間にわたる傾向があり、
企業に与える影響も大きい。
職域による特徴を踏まえ、負担に対してきめ細かい対応をしていくことが必要だ」
と相談体制づくりの重要性を訴える。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081127_4
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