2011年2月17日木曜日

インタビュー・環境戦略を語る:イオントップバリュ、堀井健治取締役・商品本部長

(毎日 2月7日)

途上国の生産者が、環境保全と生産を持続できる価格を保証する
「フェアトレード」への注目が高まっている。

イオンのプライベートブランド、トップバリュは、
フェアトレードのカカオ豆を使った「フェアトレード・チョコレート
(12粒入り、税込み118円)を開発。
堀井健治取締役兼トップバリュ商品本部長に聞いた。

--フェアトレード商品の扱いを始めたきっかけは何か?

◆02年、お客様から「買い物を通じた国際貢献の場を提供してほしい」と。
これを受け、04年からコーヒーを中心にフェアトレード商品を販売。
同商品の拡大を模索する中、09年に中央大の学生が
老若男女が手に取る機会の多いチョコレートに
訴求効果があるのではないか、と提案。

フェアトレードのチョコレートはこれまでもあったが、
欧州で加工・製造されるケースが多く、価格は高くなることも。
味についても、お客さまから「甘さを控えたものが欲しい」との声。

--それでカカオ豆を輸入し、国内でチョコを生産・販売することに。

◆はい。原料のカカオは、中南米のドミニカ共和国産で、
国際的なフェアトレードの基準を満たしている。
ジャスコやミニストップなど、全国3500カ所のグループの
スーパーとコンビニで販売中。

お客さまの要望に応え、マイルドなミルクタイプと甘さ控えめの
ビタータイプの2種類を用意。

--企業として、フェアトレード商品を扱うメリットは?

◆社会貢献はもちろん、現地の持続的な生産も支えられる。
世界各地のカカオの木の中には、寿命が尽きそうなものも多い。
フェアトレードで、生産者を支援し、樹木の生産を強化する必要。

今年のバレンタインデーには、フェアトレードのチョコを通じて、
職場や家庭で環境について考えてもらえたら幸い。

--海のエコラベルである「MSC」の認証を取得したアラスカ産
紅ザケやイクラも販売。

◆はい。海洋資源には限りがある。
適切に管理された持続可能な漁業を認証するMSC認証を取得した
水産物を販売し、水産資源の保護にも貢献したい。

--生産から販売、廃棄までに排出されるCO2量を表示する
「カーボンフットプリント」が付いた宮崎県産ピーマンの販売も手がけている。

◆野菜として国内初の試みとして、ジャスコ品川シーサイド店で販売。
今年早々からイオングループのスーパーのうち、
全国500店舗で販売を始める予定。
消費者に環境への関心を高めていただこうと思い、積極的に取り組んでいる。
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◇ほりい・けんじ

78年、ジャスコ(現イオン)入社。
同社食品商品本部デイリー商品部長、イオン北日本カンパニー山形福島
事業部長などを経て、07年9月から現職。
大阪府出身。55歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2011/02/07/20110207ddm008020015000c.html

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