2011年2月14日月曜日

荒れない学校(6)「崩壊」予兆 見極め大切

(読売 2月3日)

桐生市の小学6年、上村明子さん(12)が自殺した事件。

学校側は、「ひとりぼっちの給食」という、仲間はずれによる
いじめなどがあったと認めた。
自殺との因果関係は、第三者による委員会で調査中だが、
背景に深刻な学級崩壊があったとされる。

市教委に提出された報告によると、
明子さんの学級は、1学期後半から荒れていった。

4月 落ち着きがなく、姿勢の悪い児童が目立つ。

7月 学級全体の落ち着きがなくなり、一部児童が担任に
   暴言を吐くなどの状況が職員会議で報告。
   学校が、指導体制を検討し始めた。

8月 反抗的な態度、担任発言の揚げ足取りなど、
   学級全体のまとまりが欠け始めた。

9月 教室が非常に汚く、乱れていることが多くなった。
   学校生活改善のため、異学年交流などを増やすことに。
   席替え実施。
   明子さんが、ひとりぼっちで給食を食べる姿が見られ始める。

10月 交換授業を決定。
    給食時のグループ編成が乱れていたため、席替えを実施。

同23日、明子さんが自殺。

「先生に何を言っても無駄、と娘から聞いていた。
担任の手に負えなければ、なぜもっと早くほかの先生や校長に
助けを求められなかったのか」

明子さんの父親の竜二さん(51)は、市と県を相手取って起こした
損害賠償請求訴訟の記者会見の後、悔しげな表情で語った。

「学級崩壊には、必ず予兆がある」、
25年間の小学校教師経験を持つ小谷川元一・東京福祉大学准教授(51)。

小谷川さんが、仲間の小学校教師らから集めた実例から作成した
「学級崩壊深刻度表」(表参照)では、
さほど深刻ではない「C」段階から、担任一人では対応が難しい「B」、
担任交代など学校全体の対応が必要な「A」まで、段階的に進む。

千葉県内の男性高校教師は3年前、この表を同学年の担任らに配り、
日々のチェックを勧めた。
実際には、CからAまで数週間で進んでしまったが、
「『忘れ物が目立つ』、『Cで止めよう』と指導の基準がわかりやすく、
学年全体の状態も共有できた」

小谷川さんは、「『ダメ教師』と思われるのが怖く、
問題を抱え込む教師も多いが、崩壊の予兆を見極めたら、
周囲に協力を求め、早期に対応してほしい

◆学級崩壊深刻度表(抜粋)

A10 暴力やいじめが頻発し、子どもや教師が身の危険を感じる
A9  日常的に教師に反抗
A8  机など備品を粗末に扱う
B7  私語や逸脱行動で授業にならない
B6  授業時間外に口げんかなどが多発
B5  無視や物隠しが頻発
C4  常にざわついている
C3  教室が乱雑になる
C2  忘れ物が目立つ
C1  言葉遣いが悪くなる

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110203-OYT8T00183.htm

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