2010年12月30日木曜日

小学校受験(6)幼児教室 関西も熱く

(読売 12月24日)

「お箸を使って、赤いおはじきを自分のお皿に入れてください」。
講師の指示に従い、子どもたちが、
「生活習慣」の課題に取り組んでいた。

おはじきを上手につまめなかったり、途中で落としてしまったりしながらも、
時間内にひとつ残らず移し終えた。

幼児教室「伸芽会」の四条河原町教室(京都市)で、
行われた4、5歳児の授業。
3年保育の「年中」だが、来年の私立小学校受験まであと1年となり、
教室では「新年長」として授業がスタートしたばかり。
「これから1年で、様々な実践形式の授業を体験し、
大きく力を伸ばしていく」、教務企画局長の飯田道郎さん(50)。

小学校・幼稚園受験で知られる伸芽会は、1956年設立。
本部は東京都豊島区、首都圏1都3県に26教室、
関西2府1県に3教室、計29教室を運営。
教育理念は、その名の通り幼児の興味の芽を伸ばすこと。
例えば、図形や数量の問題では、折り紙やおはじきで関心を引き、
遊びながら学べるよう工夫する。

年長児コースでは、週2日、「総合」、「志望校別」の2コマ、
計4時間が平均的で、費用は月10万円程度。

そんな東京の幼児教室の老舗が、四条河原町教室の開校で
関西進出を果たしたのは2008年。
今年、大阪市と兵庫県西宮市にも教室を設けた。
以前も大阪市内の教室と業務提携し、指導方法を提供していた
時期があったが、今回は本格的な展開。

背景には、ここ数年、名門私立大の関関同立
(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)の付属小学校が
相次いで開校し、小学受験熱に一気に火が付いたことがある。

中学受験の「浜学園」(本部・西宮市)は05年、未就学児童向けの
「はまキッズ」を開設。
中学・高校・大学受験の「京進」(本部・京都市)も06年、
「京進ぷれわん」を開校し、小学受験指導を始めた。
08年、「教室通いへのニーズが高まり、ノウハウを十分に生かせる」
(飯田さん)と判断した伸芽会が進出。

「関関同立」付属小の開校以前も、一定の小学受験層は存在。
首都圏に比べ、私立小の数が少なく、私立の中高一貫校人気や
公立高校への信頼が高いことなどから、
お受験熱はそれほど高くはなかった。

相次ぐ私立小の開校が、幼児教育への特需をもたらしている。

◆メモ

関西では、2006年の同志社小学校(京都市)と立命館小学校を
手始めに、08年に関西学院初等部(宝塚市)、
今年、関西大学初等部(高槻市)と、名門大学の付属小学校の開校が続いた。
来春、同志社国際学院初等部(木津川市)が開校予定。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101224-OYT8T00221.htm

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