2010年12月28日火曜日

小学校受験(4)国立付属「タフさ」必要

(読売 12月22日)

年長クラスの子どもたちが、テープレコーダーから流れる
「動物村の運動会」の話を2分程度聞いた後、
「お話の記憶」の問題に取り組んでいた。
「動物村の村長さんに○をつけましょう」、
「運動会で一番目に行った競技に○をつけましょう」。
試験官役の講師が質問すると、子どもたちがすばやく答えを書いていく。

「にっけん(日本教育研究所)」(本部・国立市)の仙川教室で、
「国立大付属小学校合格判定テスト」が実施。
ペーパー試験、行動観察、運動、面接など、
計1時間の国立大付属小の入試を想定したテスト。

1972年に設立された「にっけん」は、都内と神奈川県に計7教室を運営、
国立大学付属小の受験対策で定評がある。
ペーパーから絵画・工作や行動観察、運動まで、
バランスよい指導を重視。
年長クラスは週2日、計3時間(2コマ)の授業と月1回のテストを
受けるのが一般的で、費用は月9万円。

国立大付属小は全国に74あるが、多様な子どもを集めることなどから、
多くが入試に抽選を含めている。
このため、都内の東京学芸大付属の4小学校、お茶の水女子大付属小、
筑波大付属小は、軒並み高倍率となっている。
私立小の多い首都圏では、国立が第1志望でも、
私立と併願するケースが多い。

「国立は、大勢を落とさなければならない分、
私立に比べて試験時間が短く、問題が複雑な傾向に。
積極的にきびきびと、自ら考えて行動する力をアピールできるように
指導している」、にっけんの福田菊子・副理事長(67)。

付属小から大半が付属中学校に進むが、
付属高校があっても進学できないことも多く、
大学への優先入学制度もない場合がほとんど。
系列校進学など、進路がある程度決まっている私立と違い、
国立は、各段階で進路選択や受験に向き合わなくてはならない。

抽選に外れて受験すらできなかったり、試験に合格したものの
抽選で外れたり。
親子で落ち込む国立ならではのケースが少なくないため、
にっけんでは親向け相談も充実。
福田副理事長は、「不合格でも、お受験準備は必ず小学校での学びに
生かせると、前向きに考えるようアドバイスしている

「親子ともにタフさが求められる」(福田副理事長)という国立受験。
それでも、教育の質を求め、挑戦者は後を絶たない。

◆メモ

東京都内の国立大学付属小学校は、抽選を試験の前後2回行う場合と、
試験後1回の場合がある。
にっけんの調べでは、2011年度入学の出願倍率は、
東京学芸大付属竹早小が男子76.4倍、女子66.5倍、
お茶の水女子大付属小が男子46.5倍、女子72.0倍、
筑波大付属小が男子30.0倍、女子24.6倍など、かなりの高倍率。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101222-OYT8T00158.htm

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