2010年12月27日月曜日

iPS利用、豚で人の膵臓 東大と明治大が計画

(2010年12月20日 共同通信社)

豚の胎児に、人間の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を移植し、
この胎児に人間の膵臓を作らせる計画を、
東京大医科学研究所の中内啓光教授と明治大の長嶋比呂志教授らが、
文部科学省の専門委員会で明らかに。

iPS細胞は、さまざまな細胞になる能力があり、
再生医療への応用が期待。
中内教授は、「慎重に研究を進め、将来は人間に移植可能な臓器を作りたい」

計画では、遺伝子操作で生まれつき膵臓ができない豚を利用。
この豚が、母豚の子宮内にいる胎児の段階で、
人間のiPS細胞かiPS細胞から分化させた膵臓の前駆細胞を移植。
もともとは豚の膵臓ができる場所に、人間のiPS細胞由来の膵臓が
できる可能性がある。

細胞は、受精の約40日後に相当する妊娠初期の段階で移植。
この段階は、膵臓ができ始める時期。

中内教授は、膵臓ができないマウスの実験で、
受精卵が分割を繰り返し、胚盤胞という状態になった段階で、
異種の動物であるラットのiPS細胞を注入、
生まれたマウスの体内にラットの膵臓を作ることに成功。

現在の国の指針では、人間の細胞を含む胚を動物の胎内に
移植することは禁止され、人間のiPS細胞を胚盤胞に移植する方法で
膵臓を作ることはできない。
動物の胎児への移植は、指針上は可能。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/20/130069/

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