2009年4月29日水曜日

スカイプのニーリー副社長「日本でも積極的にパートナー増やす」

(日経 4月17日)

◆ダン・ニーリー氏(Dan Neary)

米ミシガン州のデポール大学で、マーケティングの学士と
経営学修士号を取得。米ケロッグ社で、中国事業の統括などを担う。
電子商取引用ソフトのベンチャー企業などを立ち上げ、
2002年に米イーベイに入社。
東南アジアやインドの市場開拓を指揮し、09年1月から現職。43歳。

インターネット電話大手のスカイプ・テクノロジーズ(ルクセンブルク)
世界で加入者数を伸ばしている。
音声をIP(インターネットプロトコル)化して、ネット経由で送る仕組みで、
携帯電話での利用も広がってきた。
加入者間通話が無料となるなど安さが魅力で、普及すれば
一般の携帯料金の値下げ圧力となる。
消費者にはメリットがある一方、通信会社の収益を脅かす可能性も。
今後の戦略や展望について、
ダン・ニーリー・アジア太平洋地域担当副社長に聞いた。

——スカイプの直近の利用状況は?

「2008年末の登録者が4億500万人。1年で50%増。
現在は、1日35万人のペースで新規登録者。
1カ月で1000万人の計算。
昨年10-12月期でみると、加入者間の通話が200億分。
外部の固定や携帯にかける有料の『スカイプ・アウト』が26億分で、
いずれも前年同期比6割以上増加」

世界の国際電話の8%をスカイプで占めているという調査も。
景気後退局面に入り、節約意識が強まったことも追い風。
法人向けも開拓の余地が拡大している。
サービス開始から約5年でここまできたのは、順調な成長といえる」

—2月に携帯電話機最大手のノキア(フィンランド)と提携。
携帯分野をどう位置づけているのか?

「どこでもスカイプが使えるというのが、我々の目指すところで、
携帯の重要性は増している。
これまで多くの人にとって、最初のネット体験はパソコン経由だったが、
今後はスマートフォン(多機能型携帯電話)がスタートという人が増える。
ノキアだけでなく、米アップルのiPhone向けを開発し、
通信会社とも提携」

——携帯でスカイプを使う利点は?

「一部の事業者とは、スカイプ同士での通話が無料になるモデルを用意。
チャットなどの機能がある上、スカイプアウトも低料金。
パソコンでも携帯でも、同じようにコミュニケーションを取れる
ソフトだという点が重要」

——既存の携帯電話会社にとって、通話料収入の減少につながるのでは?

「通話料だけで取り上げると、減少する可能性があるが、
携帯会社にとってもメリットはある。
実際に導入した事業者の場合、新規契約者が増加。
スカイプのユーザーは、ネットを多く使う傾向があり、
データ通信のARPU(利用者1人あたり月間収入)は高くなる。
スカイプのおかげで、解約率が下がる利点も。
通信会社にとっても、我々が有望な提携先になる」

——日本ではどのような事業展開を考えているのか?

スカイプの中心的なサービスであるスカイプ同士の無料通話は、
ソフトを通じて実現。
当社はあくまでも電話会社ではなく、コミュニケーションソフトの会社。
スカイプアウトの場合、電話会社の通信網を利用することになるので、
電話会社や端末メーカーとの協力関係が不可欠。
パソコン分野では既にソニーと提携し、スカイプを搭載した製品がある。
日本の電話会社であれ、携帯電話機メーカーであれ、
パートナーを増やしていきたい」

2月に発表したスカイプの最新版「4.0」は、音質や使い勝手を
画期的に改善した自信作。日本での利用者拡大にもつなげられるはず」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090415.html

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