(日経 4月16日)
◆琦氏(イェン・チー)
1984年に重慶市内の高校を卒業。中国人民銀行、中国人民保険の
重慶市巴県の支店の会計担当を経て、95年に重慶陶然居集団を起業。
重慶工商大学MBAを取得。41歳。
◆重慶陶然居集団
中国飲食店チェーン大手。1995年、厳琦氏が重慶市で起業。
四川料理が中心。現在は中国26省・市に展開し、79店舗を運営。
昨年の売上高は18億6000万元(約265億円)。
従業員数は約1万7000人。
金融危機の影響で、中国では沿岸部の輸出産業が痛手。
内陸部の農村から沿岸部に出稼ぎに来た「農民工」が職を失うなど、
就業対策は喫緊の課題となり、政府は雇用の受け皿として
サービス産業育成の方針を掲げる。
重慶市で四川レストランを起業し、チェーン展開する
重慶陶然居集団の厳琦董事長に今後の戦略などを聞いた。
――金融危機の影響は出ているか?
「重慶の経済は、外需に頼る部分が少ないためか、
当社には金融危機の影響は出ていない。
従来の『陶然居』ブランドのレストランに加え、
2005年からは高級感を出した『重慶会館』、『陶然古鎮』など
新たなブランド店の展開に打って出た成果も現れ始めている。
今年も、新規出店を続ける方針で、新たに1000人を雇用する計画」
――既に26省・市で事業展開しているが、今後の出店戦略は?
「まだ上海には出店していないので、今後の検討課題。
海外進出も考えており、日本はその候補の1つ。
海外進出する場合は、現地のパートナーと提携したい。
中国国内の株式市場への上場も検討」
――新業態レストランの開発や出店計画は?
「今年6月から、四川料理のファストフード店を重慶市内に開業する予定。
将来的には1万店を開業したいと考え、実現すれば20万人の雇用に。
中国の雇用問題の解決には、サービス産業の発展が欠かせない」
――「農民工」の失業が大きな社会問題に。
「我が社は毎年、食材となる農産品の購入に
2億元(約27億円)強を使っている。
直接の従業員は約1万7000人、農村などへの波及効果を考えれば、
5万人規模の雇用に貢献。
人材育成の一環として、調理師学校や農民工の訓練学校も運営」
――レストランを起業して成功。理由と成功のカギは?
「鄧小平総書記(当時)の『南巡講話』に鼓舞され、保険会社を休職して
起業しようと思い立った。
開業時は、テーブルが5卓の小さな店。
料理にも特徴が無く、お客も少なかった」
「起業した当時、中国では教育を受けた人がレストラン経営するケースは
少なく、(教育を受けたものとしての)“面子”にかかわる話。
私は、必ず成功させるとの自信と信念があった。
起業で成功するカギは、こうした心の持ち方にある」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090416.html
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