2009年4月28日火曜日

砂糖入り飲料と身体活動はインスリン抵抗性に独立して関連

(2009年4月22日 Medscape)

砂糖入り飲料摂取および身体活動のレベルは、青少年における
インスリン抵抗性とそれぞれ独立して関連していることが、
米国立健康統計センター(National Center for Health Statistics)が収集した
National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES) データの
横断的解析結果から示された。
『Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine』4月号。

「肥満、インスリン抵抗性、メタボリック・シンドロームに関連する
2つの生活習慣行動とは、
(1)高レベルの砂糖入り飲料摂取、(2)低レベルの身体活動、である」
カリフォルニア大学デービス校医学部(サクラメント)のAndrew A. Bremerら。

「食事の改善と一貫した運動は、これらの障害のリスクがあるか、
現在これらの障害の診断を受けている小児・青少年に、
小児科医が通常、推奨する事柄。
研究から、砂糖入り飲料は満腹中枢反応の抑制等、
エネルギーの固体カロリー摂取に比較した液体カロリーによる
正のエネルギーバランスの促進、エネルギー恒常性の調節異常を通じ、
エネルギー摂取量を増加させ、体重増加を誘発する可能性がある」

目的は、1999-2004年NHANESに参加した米国人青少年6967例を対象、
インスリン抵抗性に関連する代謝パラメータ、身体測定値と
砂糖入り飲料摂取、身体活動のレベルとの関連性を検討。
被験者は、12-19歳。

砂糖入り飲料とは、高カロリーのソフトドリンク、コーラ、
砂糖入り果実飲料などの砂糖入りの飲料と定義。
曝露は、砂糖入り飲料摂取と身体活動のレベルであり、
主要エンドポイントはブドウ糖、インスリンの濃度、
インスリン抵抗性のホメオスタシスモデル評価(HOMA-IR)、
全リポ蛋白質コレステロール濃度・高密度リポ蛋白質コレステロール濃度・
低密度リポ蛋白質コレステロール濃度、トリグリセリド濃度、
収縮期圧および拡張期圧、胴囲、年齢と性別に対する肥満指数(BMI)。

多変量線形回帰分析により、砂糖入り飲料摂取の増加はHOMA-IR、
収縮期圧、胴囲、年齢と性別に対する肥満指数の百分位数の上昇、
高密度リポ蛋白質コレステロール濃度の低下と独立して関連。
身体活動レベルの上昇はHOMA-IR、低密度リポ蛋白質コレステロール濃度、
トリグリセリド濃度の低下、高密度リポ蛋白質コレステロール濃度の上昇と
独立して関連。

「低レベルの砂糖入り飲料摂取、高レベルの身体活動は、
HOMA-IR、トリグリセリド濃度の低下、高密度リポ蛋白質コレステロール
濃度の上昇という、互いの効果を改善し合う」

「青少年において、砂糖入り飲料摂取、身体活動のレベルはそれぞれ独立し、
インスリン抵抗性に関連する代謝パラメータ、身体測定値と関連」

研究の限界として、因果関係の判断を除外した横断的デザインであること、
被験者の性的成熟度について補正できていないこと、
本来的に限界のある質問票データを用いたこと。

「小児科集団において、食事の改善、一貫した運動が肥満、
インスリン抵抗性、メタボリック・シンドロームの発生に及ぼす効果を
直接検討するには、前向き研究が必要で、小児科医は全般的健康を
改善する取り組みにおいて、生活習慣改善の奨励を継続すべき」

Arch Pediatr Adolesc Med. 2009;163:328–335.

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/4/22/95771/

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