2011年7月1日金曜日

南アフリカ…貧困層向けに「無料大学」

(読売 6月2日)

パソコンが並ぶ教室で、学生たちが株取引の模擬訓練に熱中。
別の教室では、マーケティングをテーマに白熱した議論が交わされている。

南アフリカの商都ヨハネスブルクにある学校「CIDAシティーキャンパス」は、
貧困層の若者に、実質無料で大学教育を行っている。

CIDAとは、社会発展のため貧困層の教育支援などを行う
非営利組織「社会個人開発協会」。
同校は、同組織の創設者で貧民街で勉強を教えるボランティアをしていた
経営コンサルタントらが、経済的な理由で進学を諦める学生の
受け皿として、2000年創立。

3年間で、経営管理学士の取得を目指す。
学費は寮、食費込みで月額約2000円、払えなければ無料。
1200人を超す卒業生は、金融界などで活躍、就職率は89%。

現在の学生数は、周辺国も含めて662人、
コンゴ出身のユンバさん(22)は、「進学を諦めていた私には
夢のような学校」と笑顔を見せる。

年約4億6000万円の運営費に公費補助はなく、企業や著名人の寄付に
頼るが、同校のネサン・チェティ営業部長(43)は、
「本校への寄付は投資になる」と強調。

昨年、株取引の全国コンテストで上位10位に同校から4人が入賞し、
スポンサー企業は優秀な学生を採用できた。
同様の学校は国内に2校新設、最近はボツワナから視察があった。

アフリカは、15歳未満人口が41%を占め、13%の日本より若いが、
大学進学率は5%と低迷。
学費の負担だけでなく、大学を拡充できない国の力不足も要因。
民間主導の人材開発の試みは、
アフリカの貧困問題解決のモデルとして注目。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110602-OYT8T00283.htm

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