2011年7月1日金曜日

"曖昧さ"で環境適応 遺伝子の働きに個体差

(2011年6月20日 共同通信社)

生物は、同じ遺伝情報を持っていても、
働く遺伝子の量に個体差があるため、環境変化に柔軟に
適応できることを、大阪大や弘前大のチームが大腸菌で明らかに。

働く遺伝子の量で各個体の特性が変わり、
予期せぬ状況でも、種として残れたと考えられる。

四方哲也大阪大教授は、「気候変動があっても、生物が持つ曖昧さにより
生き残ってきた仕組みの一端だ」

生物に必要なヒスチジンという、アミノ酸の合成に関わる酵素hisCに着目。
大腸菌で働いている量を調べると、
平均を1として0・5~2倍のばらつきがあった。
ヒスチジンがない環境で培養すると、hisC遺伝子が多く働いて、
ヒスチジンの合成能力が高い菌が優先的に増殖。
14時間後には、働いている遺伝子の平均量が2倍以上。

遺伝子の突然変異は起きておらず、四方教授は、
「曖昧さを利用した適応には、進化に伴うエネルギーと時間が不要で、
迅速に環境変化に対応できる」

成果は、モレキュラー・システムズ・バイオロジー電子版に発表。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/20/138186/

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