2011年6月30日木曜日

暑さ、湿気に悩み 避難所の対策決め手欠く

(2011年6月21日 共同通信社)

夏や梅雨が近づき、東日本大震災被災地の避難所では、
暑さや湿気に悩む人が増えてきた。
食中毒や害虫も発生し、自治体なども対策に乗り出しているが、
決め手に欠ける。
担当者から、「エアコンが付いている仮設住宅への入居を急ぐしかない」
との声も上がっている。

南三陸町は20日、最高気温が27度を超えた。
志津川中学校体育館には、今も43世帯72人が暮らす。
5台の大型扇風機が配備、館内はプライバシーに配慮し、
希望世帯には約180cmの高さのついたてで区切っており、
風通しを悪くしている。

無職田畑きよつさん(82)は、「ついたてがなくても、涼しい方がいい」と
扇風機の風が届く場所を確保。
「扇風機だけでは不十分。半袖シャツの支援物資も少なくて困る」、
着ていた長袖をめくり上げ、うちわで暑さをしのいでいた。

大槌町では、6月になって魚介類の腐敗が進み、ハエが大量に発生。
約85人が避難している赤浜小学校体育館の入り口には、
津波で使えなくなった漁業用の網が掛かる。
避難している佐藤寿さん(64)は、
「町に頼んでも網戸が来ない。苦肉の策だ」

石巻市では、冬物の布団や毛布にダニやかびが発生、
ボランティアが布団乾燥器で乾燥させて対応。
田村市の避難所では4日、炊き出しが原因とみられる
集団食中毒が起きた。
今後夏に向けてさらに気温が上がれば、
ますます食中毒発生のリスクが高まる。

避難所ではない場所に身を寄せる人も、悩みは同じ。
「中は蒸し暑くて」。
石巻市の再開のめどが立たないスーパー2階で、
避難生活を送る女性(73)が6月中旬、屋上で夕涼み。
建物は、電気も水道も止まったまま。
市から配給される弁当を、仲間が職場で凍らせたペットボトルと
発泡スチロールで作る「冷蔵庫」で、保管する生活。

ある自治体の担当者は、「どのように環境を整備しても、
避難所で快適に夏を過ごすには限界がある。
夏を乗り切るには、早く全員が仮設住宅に入るのが一番。
仮設住宅の完成を急ぎたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/21/138207/

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