2011年6月29日水曜日

アメリカ…学費高騰でローン急増

(読売 5月6日)

アメリカで、大学や大学院の学費のための学資ローンの
貸付残高が急増し、今年初めて1兆ドル(82兆円)を超える見通し。
全米のクレジットカードの貸付残高をも上回る巨額の債務が、
未来にのしかかる。

ワシントンの4年制美術大学に通うアリス・スラティーサンドバルさん(22)は、
5月に、「たぶん数万ドル」の教育ローンを抱えて卒業。
映像作家になる夢があり、ボストンの美術大学院に進学予定、
年間約2万5000ドル(約205万円)の学費は、
奨学金と追加のローンやバイトでまかなうつもり。

「卒業しても、不況で仕事がない」
進学すればさらにローンが膨らむが、
学生でいる間は返済を先延ばしできる。
アリスさんは、「大学院の2年間は、安全期間」との考えで進学を決めたが、
将来には不安がある。

学資ローンの増加は、学費高騰によるところが大きい。
4年制私立大の平均学費は、日本を大きく上回る
年約2万7000ドル(約220万円)、2000年から7000ドル以上増加。
不況も追い打ちをかけ、学資情報専門サイト「FinAid.org」によると、
2000年に約2000億ドルだった貸付残高は、
今年1兆ドルを突破する見通し。

学資ローンは、アメリカの大卒者の6割以上が利用、
平均負債額は約2万4000ドル(約196万円)。
オバマ大統領夫妻にも一時期、それぞれ6万ドル以上の学資負債が。

就職難が続き、「教育の利益が負債に見合わない例が増えている」、
民主党系研究機関「アメリカ進歩センター」のジュリー・モーガン研究員。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110506-OYT8T00183.htm

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