2011年1月8日土曜日

ブロッコリースプラウト由来のスルフォラファンに ラクトフェリンなど3食品成分に比べ高い抗ピロリ菌作用

(日経ヘルス 12月7日)

東京理科大学薬学部の谷中昭典教授のグループが、
ブロッコリーの新芽(ブロッコリースプラウト)由来の有効成分
「スルフォラファン」に、ほかの三つの食品成分に比べ、
強い抗ピロリ菌作用があることを確認。

「スルフォラファン」は、ブロッコリーなどアブラナ科野菜に多く含まれる
硫黄化合物が、咀嚼の過程で変化してできる有効成分。
高い抗酸化作用を持ち、発がん物質を解毒する酵素を活性化する
働きなどが知られている。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、人間の胃に住みつく細菌で、
「胃がんの発生に関与し、胃がんリスクを5倍以上に高める」

これまでも、「スルフォラファン」にピロリ菌を抑える作用があることが
報告されてきたが、谷中教授らは今回の研究で、
同じく抗ピロリ菌作用が報告されている母乳由来のたんぱく質
「ラクトフェリン」、ウコン由来の黄色色素「クルクミン」、
緑茶由来の渋み成分「カテキン」を含めた4成分で、
作用の程度を試験管で比較。

それぞれの成分をピロリ菌にさらし、
(1)ピロリ菌の増殖率、(2)ピロリ菌の生存率、
(3)ピロリ菌がダメージを受ける程度、
(4)ヒトの胃の上皮細胞へのピロリ菌の接着能、
(5)上皮細胞がダメージを受ける程度などを比較。

ラクトフェリンは、どの項目においても効果を確認できず、
(1)と(2)、(5)についてはスルフォラファンとクルクミンが
同等に高い効果を示した。
(3)と(4)においては、スルフォラファンが特に高い効果を示す結果。

ヨーグルトに含まれている乳酸菌、LG21(ラクトバチルスカゼイLG21株)
にも、抗ピロリ菌作用が確認、
「生きた細菌であるLG21は、今回の研究では同じ条件で
比較することができなかったため、評価を見送った」と谷中教授。

http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101207/109495/

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