2011年1月8日土曜日

国語力を鍛える(2)文章の種別で書き分け

(読売 1月6日)

「『調査報告文』はすっきりしていて、『意見文』は説得力がある」。
クラスメートが書いた2種類の文章について、
5人ずつの班で話し合って見つけた特徴を発表。
北九州市立折尾西小学校で行われた5年生の国語の授業。

狙いは、文章の目的や相手に着目し、

文章の種類ごとの書き方を整理すること。
担任の岩倉智子・指導教諭(50)が、子どもたちの発表を
黒板に書きとめながら、二つの文の違いをまとめていった。

ごみ問題をテーマに意見文を書いた有松穂野花さん(10)は、
江戸時代の庶民の生活を調べ、現代の人々がごみを減らすために
できる工夫を、ベストテン形式にしてまとめた。

「友だちから、ベストテンが分かりやすかったとほめられ、うれしかった。
文章を書き上げる過程で、友だちと意見を交換し、
アドバイスを受けることも多い」

同市教育委員会は、専門性の高い教科教育の実践研究を行う
「学校大好きオンリーワン事業」を推進。
国語科の推進校となった同小は、2008年度から、
文章の種類に応じて適切に書く力の育成に取り組んでおり、
各学年の授業で、様々な文章を書く単元を設けている。

「文章の種類によって、ふさわしい相手、目的、価値意識は異なる。
その違いを理解した上で、自分の思い、伝えたいことをじっくりと考え、
適切な言葉を選んで書く力の習得を目指している」
研究主任でもある岩倉指導教諭。

文章の書き分けとともに、同小が力を入れているのが、
クラスメートが書いた文章について意見を述べ合う交流活動。
5年生の河合俊賢君(11)は、
「文章が上手な人は、作文のお手本になるだけでなく、
自分では気づかなかった自分の文章の良い点も教えてくれる」

岩倉指導教諭は、「何でも聞いてもらえるという安心感が、
国語が苦手な子にも生まれた。
2学期に入り、少しずつ自分の意見を話し始めた時はうれしかった」

河本博子校長(59)は、「交流活動で表現力がつき、
算数で式を立てる時も、根拠を持って説明できるようになった

書くことを通して思いを伝え合い、自分の文章にはない
相手の良さを考える。
そのことが相手を認めることにつながり、
コミュニケーション力の向上につながっていく。

◆折尾西小の授業の一例
▽おもちゃ作りの説明文を書こう(2年)
▽身近なもののひみつを、図書資料で調べて報告文を書こう(3年)
▽クラブ活動の楽しさを伝えよう(報告文、4年)
▽自分の生活を見直し、よりよいものにしよう(活動報告文、5年)
▽自分の歩みを振り返り、これからの生き方を考え、随筆に表そう(6年)

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110106-OYT8T00207.htm

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