2008年9月17日水曜日

太陽光発電を簡素化、途上国への普及目指す 豪研究者

(CNN 9月6日)

「地球環境に優しい技術には、お金がかかる」
そんな現状を覆そうと、太陽光発電の分野で近年、
途上国の貧しい住民が利用できる、安くて簡単な技術の開発が進んでいる。

オーストラリア・ニューサウスウェールズ大博士課程の
ニコール・ケッパー氏が考案した「iJET(アイジェット)」もその1つ。

ケッパー氏によれば、アイジェットは
「インクジェット方式のプリンターとマニキュアの除光液、
ピザの焼けるオーブンがあれば作れる」太陽光発電機。
従来の工程と違い、クリーンルームを備えた工場や熟練した技術者を
必要としないため、約半分の費用で製造できる。

同氏は今年、この技術で、同国の優れた科学者に贈られる
「オーストラリア博物館エウレカ賞」を受賞。
「工程を簡素化し、分かりやすくすることが、
太陽光発電を途上国に普及させるカギ」。

途上国ではすでに、インフラ整備に膨大な費用と時間のかかる
従来の電力供給システムに代わるものとして、太陽光発電が注目。
アフリカ東部などで灯油ランプをソーラー式発光ダイオード(LED)照明に
切り替えるプロジェクトに取り組む非営利団体「ソーラーエイド」の
ジェレミー・レゲット会長は、
「一軒一軒の家、ひとつひとつの村に設備を取り付けることにより、
太陽光発電は着実に普及するだろう。

太陽光発電のコストを下げるための技術は、日進月歩の勢い。
新たな発明も大歓迎だ」

ケッパー氏が描くのは、アイジェットを途上国の企業が製造し、
地元の家庭に販売するという将来像。
「現地で製造できれば、雇用創出などの経済効果も期待できる」。

当面の課題は、太陽光発電機の主要な材料となる
シリコンの使用量をいかに減らすかということ。
「シリコンは、製造コストの約50%を占めているのが現状。
コスト削減のためには、この割合を低くする必要がある」

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200809060019.html

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