2007年7月26日木曜日

ティーンエイジャーの野球少年で可動域が減少

(Medscape 7月26日)

ケンタッキー大学(レキシントン)外科准教授Scott D. Mair博士は、
長年にわたる野球練習がティーンエイジャーの
投球腕に悪影響を及ぼす可能性があると、
米国整形外科スポーツ医学会(AOSSM)第31回年次総会で報告。
「このような少年では全可動域が減少する」。

野球少年32名(13-21歳、平均年齢は18歳)を対象とし、2000~2006年に調査。
研究者らは、90°外転時の肩の内旋域(IR)および外旋域(ER)を計測。
また、90°外転時と中立位における等尺性強度も計測。
野球少年に対し、野球競技歴と疼痛の有無について質問。
誰のX線写真であるか知らない放射線科医が、
開始時と経過観察時に少年の腕の変化について検査。

少年の投球腕の全可動域は、平均9 ± 11°減少、投球腕のIRの減少は有意(6 ± 9°)。
これに対し、少年の非投球腕のIRの変化は0 ± 8°、ERは非投球腕において平均5°減少。
体重に対する強度の割合の変化は有意なし。

可動域の減少は、肩の症状を訴えた18名で特に顕著。
IRの減少については、投球腕に肩症状のある少年では平均10°に対し、
肩症状のない少年では0°。
全可動域の減少については、肩症状のある少年では平均13°に対し、
肩症状のない少年では4°。
X線写真でも、6年の間に少年の腕の変化が顕著に認められた。

放射線科医は、骨端軟骨の拡大および皮質厚の増加に注目することによって、
少年32名中28名において投球腕と非投球腕を正しく識別。

ラッシュ大学(イリノイ州シカゴ)の整形外科教授Brian J. Coleは、
この研究は、野球少年の腕の発育について既に判っていることの
多くを裏付けるものである、と。
しかし、この研究は野球少年が投球腕について訴える
あらゆる症状に注意を払うことの重要性を強調。
「内旋不全のみられる子供には問題がある可能性が高い。
しかし、これは治療可能である。このことが真に重要な問題である」。

American Orthopaedic Society for Sports Medicine 31st Annual Meeting. Presented July 15, 2007.

http://www.m3.com/news/news.jsp?articleLang=ja&articleId=51253&categoryId=580&sourceType=SPECIALTY

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私も昔は野球少年でしたので、この話は人事ではありません。
肘や肩を痛めたために、いまだにボールを投げ過ぎたりするとしびれた感覚が・・・。
もはや先発完投はできませんね。
といっても、ピッチャーではなかったですが。
成長期に適したトレーニングや投げ方をいかに指導していくか。
科学的データを蓄積していくことは大切ですね。

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