2007年8月1日水曜日

“小泉流”姫が逆転 地殻変動の現場 検証・参院選 岡山

(毎日新聞 2007年7月31日)

「これだけの逆風を、もう少し早く反省すべきだった」。
29日夜、自民参院幹事長、片山虎之助氏は
岡山市の選挙事務所前で、支持者らに頭を下げた。

参院国対委員長、総務相などを歴任した実力者。
県議を2期務めただけの姫井由美子氏を相手に、「横綱相撲」のはず。

逆に言えば、民主にとっては、与野党逆転の象徴的な選挙区に。
姫井氏の陣営は、メディア戦略に力を注いだ。
「姫の虎退治」のキャッチフレーズは、
出馬表明した直後、江田五月県連顧問らが思いついた。
片山氏の知名度を、自らの知名度アップに利用する戦略。
党幹部らが連呼すると、週刊誌やテレビ、新聞が飛びついた。
片山氏に見立てた虎を、姫井氏が得意の居合刀で退治する寸劇まで披露。

各メディアの世論調査で「接戦」が伝えられた23日、
小沢一郎代表から姫井氏の選対幹部に電話が入った。
「頑張っているじゃないか。ありがとな。27日に入るけど、どこに行けばいい?」。
幹部の頭に浮かんだのは、山間部の新庄村。
公示日、小沢氏が第一声を上げる予定だったが、台風で断念。
「民主党は約束を守ることを示すために、無理してでも行ってください」。

27日。「この前の償いに参りました。合併などで村はほとんどなくなったが、
いいところを残しながら自立することは必要です」。
人口1081人の新庄村で、小沢氏は約50人を前にあいさつ。
「選挙は川上から」の持論に基づくパフォーマンスを見せた。

メディアを使った「空中戦」重視の姫井氏に、片山氏は「地上戦」で対抗。
建設や医師会などの団体・企業の推薦は、約1300。
公明党の支持母体・創価学会幹部にも、片山氏自ら電話で要請。
学会は、県内で約15万票を持つ。
学会側は、見返りとして比例代表での公明支援を求めた。
「岡山選挙区は片山。比例は公明党の山本博司、
プラス与党の先生方を押し上げてほしい」。

結局、2人の得票差は約5万票。
民主への追い風に対する組織選挙の限界がのぞいた。
「郵政選挙での小泉純一郎前首相のメディア戦略を逆にやられた。
改革で組織が弱体化しており、逆風をしのげなかった」。
自民県議はこう振り返った。

http://www.m3.com/news/news.jsp?articleLang=ja&articleId=51564&categoryId=&sourceType=GENERAL

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今回の選挙は、自民党の実力者をも追い落としてしまった
安倍政権に責任があります。
信頼を失うような行動、発言を繰り返しては、
安心して政治をまかせることはできません。
民主党がようやく政権担当できる体制になってきました。
二大政党制が確立されれば、
与党も野党も緊張感を持って政治を行うでしょう。
バカなことをすれば、次の選挙では敗れてしまう、ということを
常に意識して政治を行って欲しい。
そうすれば、官僚主導の政治から脱却できる。
いつまでも官僚の作った作文を読んでいる大臣がいるようでは、
21世紀の社会に対応できない。
岡山の結果が、とても象徴的ですね。

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