2007年8月31日金曜日

理研:左右の神経なぜ混線 防ぐたんぱく質解明 突然変異マウスで

(毎日新聞 2007年8月29日)

左右の神経の混線を防ぐ仕組みを、
理化学研究所の岩里琢治・副チームリーダーらが突き止めた。

神経細胞の先端部分のたんぱく質が、
運動機能をつかさどる脊椎内で逆方向への延伸を食い止めていた。
両手が一緒に動いてしまう先天性疾患の原因解明や
再生医療研究に役立つという。

左右の足を一緒に動かし、ウサギのように跳びはねて歩く
突然変異マウスを偶然見つけ、「ミッフィー」と名付けた。

通常、マウスやヒトは左半身の動きを右側の脳、右半身を左側の脳が制御。
左右の大脳皮質から伸びた神経は、脊椎の手前で交差し、
左右反対側に伸びて筋肉を動かす末梢神経とつながっている。

脊椎内は、「正中線」という境界線で左右に区切られており、
境界線には神経の「進入禁止」標識の役割を果たす膜たんぱく質がある。
神経細胞の先端が正中線にぶつかると、神経は境界線を越えない仕組み。

しかし、「ミッフィー」を調べると、
脊椎内の神経の多くが左右の境界線を越えて混線していた。
遺伝子解析の結果、「αキメリン」というたんぱく質をつくる遺伝子が壊れていた。
研究チームは、αキメリンが境界線を越えて神経が伸びないようにする
役割を果たしていることを、培養細胞などの実験で明らかに。

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070829ddm016040038000c.html

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神経がなぜ左右に分かれ、しかも混線せずに整列されているのか?
そのカギが見つかりましたね。
マウスでは、遺伝子疾患として認められましたが、
人でもこのような混線した状態、疾患は見られるのでしょうか?
神経系の発生、修復に関する知見は、
再生医学にとっても必要な情報です。
私は昔、よくウサギのように飛び跳ねていたものです。
頭の中もよく混線しますが・・・。

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