2008年2月20日水曜日

スポーツ中の突然死:前日、十分睡眠を 指導者や教員へ知識、技術普及を

(毎日 2月15日)

健康維持にスポーツは欠かせないが、スポーツ中の突然死は後を絶たない。
防止するには、どうしたらよいのだろうか?

東京都済生会中央病院の三田村秀雄副院長(循環器)によると、
スポーツ中の突然死の原因は年齢によって大きく異なる。
若年層の場合は、心臓に生まれつき異常や疾患があったり、
乳幼児期に川崎病にかかったケースなどが多いが、
中高年の場合、多くが心筋梗塞。

「スポーツでの突然死のリスクは、安静時の17倍というデータも」。
心臓突然死は予測できないが、心筋梗塞の4大危険因子と言われる
高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙は危険度を高める。

予防には、普段から定期的にトレーニングして急に激しいスポーツをしないこと、
スポーツをする前日は十分な睡眠を取ること。
風邪もあなどってはいけない。
風邪が原因で心筋炎を起こすことがあるから。

スポーツ前やスポーツ中に胸痛、血の気が引くような感じのめまい、
脈の乱れを感じるような動悸があったら、すぐ中止する。
汗をかいて脱水状態になると、血液が固まりやすくなるので、
こまめな水分補給を心がける。

スポーツの前後にウオーミングアップとクールダウンを十分することや、
普段の健康チェックも重要。
心電図は安静時だけではなく、スポーツ時の負荷をかけた状態でも取るとよい。

もし倒れた場合は、いかに早く対処できるかが生死を分ける。
「3分以内に対処できれば、7割が助かる。
人が倒れたら、心停止かもしれないという意識を持つこと。
AED(自動体外式除細動器)の配備が進んでいるが、
目につくところに置き、何かあった時のシミュレーションをしておくことが大事」。

とはいえ、周囲の人がどうしていいか分からず、
時間ばかりたってしまうこともありうる。
全米公認アスレチックトレーナーの資格を持つトレーナーらが発足させた
NPO法人、スポーツセーフティージャパン(佐保豊代表理事)は、
無料の携帯電話サイト「スポーツセーフティー」
http://www.sports-safety.net/m/ss)で、
緊急事態への対応を写真入りで解説した「緊急対応ガイド」を配信。

「人が倒れて動かない」、「痛がっている」、「息苦しそうにしている」、
「意識がもうろうとしている」、「けいれんしている」の五つの入り口から、
状況に応じた対処法が分かる仕組み。

人が倒れている場合、周りの安全を確認した上で、意識の有無を確認。
意識がない場合は、救急車を呼ぶと同時にAEDの用意も指示。
気道を確保し、口の中に異物があれば取り除き、呼吸の有無を確認。
AEDがある場合には使い方を、
ない場合には人工呼吸や心臓マッサージの手順を解説。

日本は、スポーツ事故を予防しようという意識や技術の普及が遅れている。
米国での調査では、スポーツでの事故は7~8割が予防できる。
特に、子どものスポーツにかかわる指導者や学校の先生、施設関係者、
保護者は責任として、最低限の知識を身につけてほしい」。

http://mainichi.jp/life/health/news/20080215ddm013100172000c.html

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