2008年9月24日水曜日

五輪化するパラリンピック 日本は苦戦

(朝日 2008年9月18日)

パラリンピックで、日本は不振だった。
五輪選手が出場するなど、競技性が高まっている大会への対応が遅れた。
障害の種類や、軽重で選手を分けるクラス分けにも苦しんだ。
一方で、車いすには、自動車レースF1の素材を使ったものも登場。

今回は、種目数が前回のアテネから1割も減って、472となった。
日本が得意としていた重度障害者のクラスが削減対象。

背景には、大会が「リハビリの延長」から「スポーツ」へと
大きくかじを切っていることがある。

競技性が低いことと、競技人口が少ないこと。
重度障害者のクラスがなくなったのは、こんな理由から。

アテネ陸上男子5000メートル(車いす)で金だった高田稔浩(福井)の
この種目は、今回なかった。
女子100メートル背泳ぎ(視覚障害)で世界新を出していた
秋山里奈(神奈川)も種目がなくなり、自由形に転向して
決勝に進むのが精いっぱい。

河合純一・日本パラリンピアンズ協会事務局長は、
「戦いが白熱すれば、見る人も増える」と、
こんな動きにある程度の理解を示した。

「このままではやめられない。これからも、泳ぐことで
何か感じ取ってもらえるように頑張りたい」。
競泳女子の成田真由美(神奈川)は悔しがった。
選手の障害の程度を決めるクラス分けに、泣かされた。

成田は前回7冠。通算20個のメダルを持つ日本のエース。
今回は軽いクラスと判定され、障害の程度が軽い選手たちと戦った。
出場した3種目すべてで5位にとどまった。

あるクラス分け委員によると、障害をわざと重く見せて
有利なクラスに入ろうとする選手も少なくない。
いかに公平さを保つか、という課題は残されたまま。
成田は、「クラス分けが未成熟」と残念がった。

http://www2.asahi.com/olympic2008/news/TKY200809180133.html

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