2008年2月14日木曜日

市町村・医師との連携体制構築を動機づけ支援は面接前準備が重要

(Japan Medicine 1月30日)

4月から特定健診・保健指導がスタート。
高齢化の進展に伴い、伸び続ける医療費を適正化のため、
生活習慣病の発症を未然に食い止めることが求められる。
自覚症状が少ないだけに、生活習慣を改善させることも難しい。
効率的に高い効果を上げることのできる保健指導を確立することが、
制度の理念を達成する鍵。

厚生労働省健康局総務課の剱物祐子保健指導専門官に話を聞いた。

―特定保健指導に求められることについて教えてください。

剱物氏 今までの健診は早期発見が中心だが、
特定健診・保健指導の目的は、対象者を明確化し、重篤な心血管疾患への
進展を防止、生活習慣病予防に関する効果を出すこと。
保健指導を実施する際のシステムを、しっかり構築する。
保健指導を行う人、費用、評価システム、どこに委託するか―など
各段階での取り組みが重要。

保健指導の質は、厚生労働科学研究費の生活習慣病対策総合研究事業で、
「保健指導の質の評価ガイド」開発を行う。
項目は、保健指導の内容、施設の基準、人員、運用、基本方針、
マニュアル、監査体制などを網羅。

―特定保健指導を行う上で留意すべき点について。

剱物氏 積極的支援群などリスクの高い人に対し、
保健指導だけでは、効果をあげるのが難しい。
従来、集団の評価を行った上で、個人の保健指導を行ってきた。
集団によって、理解力や健康への興味が異なり、保健指導の方法も変わる。
集団と個人の両面からのアプローチを組み合わせた保健指導が必要。
プロセスを最初の段階から詳細に検討し、次の保健指導に生かす。
「リバウンド」を耳にするが、保健指導の時だけ効果が出てもダメで、
専門職の手を離れた後も効果を持続させることが重要。
長期的な目で生活習慣病の発症リスクが高い集団全体を評価し、
保健指導を進めていくことが必要。
プライマリケア医の先生では、訪れる患者さんを1つの集団として考える。
地域によって、「塩分が多い」、「運動施設が少ない」、
「農作業に従事していて、季節の差がある」などの特徴が。
各市町村で集団に向けた広報や患者教育などを行うことも重要。

―問題ないとされた「情報提供」群については、どのような保健指導を行うのか。

剱物氏 情報提供は、特定保健指導には位置付けられないが、非常に重要。
特定健診の結果や質問票など、生活習慣の問題点はある程度分かる。
得られた情報を基にアプローチすることで、
動機づけ支援や積極的支援が必要にならないよう指導。
地域や集団の特性、就業形態なども盛り込んで情報提供してほしい。
若い人にはできるだけ積極的に情報提供を行ってほしい。
早めに行動を変えることが、将来を改善していくことにつながる。

―「動機づけ支援」群に対しては、どうでしょうか。

剱物氏 動機づけ支援は、原則1回の支援。
初回面接を最低20分行い、行動変容のための動機づけを行う。
6カ月後に保健指導の効果を評価。
長期間指導の場合、動機づけ支援は最初の面接だけで決まる。
面接前の準備が非常に重要。
健診結果や質問票のほか、情報が入手できるなら積極的に求めてほしい。
医療保険者が企業であれば、産業医の方からストレスなどの情報を入手する。
事後評価を、保健指導に携わるチームで行うことも重要。

―「積極的支援」群についてはどうでしょうか。

剱物氏 基本的な考え方は、動機づけ支援と同様。
積極的支援は、3カ月以上継続的に支援を行い、6カ月後に評価。
支援方法や時間によりポイントが規定、180ポイント以上の支援を実施。
食生活や運動など組み合わせた指導。
運動指導担当者研修を受けた者など、他職種の人材を活用し保健指導を行う。

―初回面接の事前準備で、医師や保健師と医療保険者との連携も重要。

剱物氏 経年的に前年度の面接の記録など、データを集積し、
自然と連携できるようなシステムを構築してほしい。
市や町の特徴についてのデータを持っているのは市町村。
ぜひ、市町村との連携を活用してほしい。
島根県の安来市では、医師会・患者会・保健所との連携体制を構築し、
患者登録管理やハイリスク者への対策、啓発活動など総合的な糖尿病対策。
その結果、糖尿病の医療費の伸びを抑制したという例も。
地域に連携体制が構築されていなければ、地域の医師会や診療所と
市町村との連携体制を構築してほしい。

http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/jiho/200801/series-m.html

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