2008年1月17日木曜日

特集:MOTTAINAI アイデアいっぱい 大きく広がる(その2止)

(毎日 1月5日)

全国一の焼き物の里で愛知、岐阜両県にまたがる東濃地区から、
MOTTAINAIマグカップセットが誕生。

全国の消費者から、「捨てるのはもったいない」と送られてきた使用済みの
お皿や茶わんを砕いたリサイクル素材を、2割混ぜ込んで焼き固めた。
世界中から集めている焼き物用の土を節約できる上、
ごみを出さずに済むのが売り物。

MOTTAINAIマグカップを作ったのは、食器の加工販売「アイトー」。
リサイクル素材を使ったマグカップやお皿、
ふた付きスープマグカップや小鉢などをセットで販売。
デザインは、陶器の白地を基調に、MOTTAINAIロゴをあしらった。

瀬戸市や多治見市は、美濃焼の里として有名で、
和洋食器は国内生産量の半分以上のシェアを持つ。
低い丘陵を背に、製陶工場の煙突が伸びる風景は
日本人の心をなごませる風景だが、
その焼き物の里にも時代の流れが押し寄せている。

コンビニエンスストアや百貨店で総菜を買ってそのまま食べる
「中食」や外食が一般化して陶磁器を使う機会が減り、
陶磁器中心だった結婚式の引き出物が多様化したことに加え、
海外からの洋食器が増えたことで、
国内の生産量は95年の3500トンをピークに、1200トンまで激減。
窯元が閉鎖したり、規模縮小に。

欧州メーカーと差別化し、消費者に購入してもらうため、
地元企業などが中心となって練り上げたのが
環境に配慮し、資源循環を実現する「うつわの再生」プロジェクト

グリーンライフ21」と名づけられたこのプロジェクトは、
使用済み食器を全体の2割程度まで粗く砕いて混ぜ込み、
土と一緒にして7~8マイクロメートルに粉砕。
再生した食器は、新たな土だけで作るよりも環境負荷が少ない。
この製品は、01年度のグッドデザイン賞「エコロジー・デザイン賞」などを受賞。

使用済み食器を受け入れている「ヤマカ陶料」によると、
全国の消費者から送料を自己負担して送られてくる使用済み食器は
年間40~50トンに上り、年々増える傾向。
中には、「ありがとうございました」の手紙と共に菓子を同封する消費者も。

食器のリサイクルを嫌がる消費者はいないのか?
加藤誠二副社長も、当初は心配だったが、
あるイベントで出展していたら、お客さんからラーメン屋を引き合いに
「前の人が食べたどんぶりでみんな食べるんだから、大丈夫」。

一般消費者と同じぐらい問い合わせの多いのが、
ごみの処分に頭を悩ませる地方自治体。
一般廃棄物最終処分場の残余年数は、05年度に14・8年となり、
リサイクル量は増加しているものの頭の痛い問題。

加藤副社長は、「土を粉砕する装置はあるので、追加コストは全くない。
製品が消費者に認知されれば、陶磁器の需要増につながるのでは」。

アイトーは、これまでも独自の資源循環型ブランドを持ち、
百貨店などでのイベントの際には使用済み食器を持参してもらい、
金券などと引き換えたりしていた。
社会貢献の一環として食器作りのノウハウを生かし、
お年寄り向けの食べやすい食器の開発も。

「これまでも社会的に意味のあることにチャレンジしてきた。
マータイさんが主導するMOTTAINAIキャンペーンは
誰にも分かりやすくメッセージ性がある取り組み。
我々の製品が広く認知されることで、資源循環型社会が構築されるよう期待」。
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日本最大級の環境展示会
「地球と私のためのエコスタイルフェア~エコプロダクツ2007」が開かれ、
MOTTAINAIキャンペーン商品を展示するブースも出展。

商品は、イオンが独自展開するプライベートブランド「セルフ+サービス」が
開発したリサイクル素材のバッグやジャケット、ブックカバーなど。
イオンはキャンペーンに賛同し、06年から店頭で買い物客から古着を回収し、
リサイクルする同ブランドを全国の約50店舗で展開。

ラップソング「MOTTAINAI」が大ヒット中のルー大柴さんが
イオンブースを訪れ、ペットボトルだけでなく、
ウールやフェルトのリサイクル商品をみて、「グッドだねえ」。

エコプロダクツ展は、環境に配慮した製品やサービス、
研究を紹介する展示会で、9回目。
07年は約600社・団体が出展し、16万人以上が来場。
MOTTAINAIブースは、「進化するエコストア」(イオン特別協賛)内に設置、
エコバッグやTシャツの関連グッズを展示・販売。
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地球の歩き方」が、ケニアのマータイさんが進める植林活動
グリーンベルト運動」を体験するMOTTAINAIツアーの参加者を募集。

旅行を通じて人的ネットワークを広げるとともに、
MOTTAINAI精神を通じた社会貢献活動の第一歩として活用してもらうのが狙い。
ツアーは、2~3月の週末に出発し、4日間かけて
グリーンベルト運動の一環としてナイロビ周辺で植林活動や
フェアトレード商品の工場見学などを実施。
その後、ナクル湖国立公園でサファリ観光を経て帰国する8日間。
料金は、航空運賃や宿泊費込みで40万円前後。

「参加者の皆さんに、現地での交流により世界的運動である
グリーンベルト運動を体験してもらうとともに、
参加者同士のネットワークを今後の活動に生かしてもらいたい。
ツアーに参加することで、その一部を運動のために寄付することができます」。
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MOTTAINAIキャンペーン事務局は、
キモチを表す卵のような形をモチーフにした新しいロゴをあしらった
オーガニックコットン製のMOTTAINAIキャンペーンオフィシャルTシャツを発売。

Tシャツは、農薬や化学肥料をほとんど使用せずに栽培された
オーガニックコットンを使用し、襟ぐりをしっかりと縫製したり、
すそを二重にしたりして長く着られるように設計。

Tシャツの内部にあることが多いネームタグを、
外側につけて肌に優しい作りに配慮。
Tシャツは税込み3900円。S、M、L、キッズサイズ。
MOTTAINAIショップ http://mottainai-shop.jp/。

MOTTAINAIロゴをあしらったかわいい弁当箱が登場、話題を呼んでいる。
弁当箱は、プラスチック製でプッシュボタンで開閉できる仕組み。
中皿があって、お箸をしっかりと収納できるのが特徴。

現在、8品目で主な商品はランチボックス650円、お箸520円、
きんちゃく袋付きランチボックスが1400円。
問い合わせ:オーエスケーお客様相談室(06・6797・3546)。

http://mainichi.jp/select/science/news/20080105ddm010040151000c.html

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