2008年2月27日水曜日

エビさんの食べるスポーツ:男子マネの気概=海老久美子

(毎日 2月18日)

前回の女子マネジャーに続き、男子マネジャーに登場してもらおう。
東京六大学野球を見に行った時、ブレザーをビシッと着こなした青年から
声をかけられた。
誰かと思ったら、私が栄養指導に行っていた京都の高校野球部の子。
今は、明治大学野球部のマネジャーだと言う。
言葉遣いも物腰も、すっかり大人になっていて驚いた。

男子マネジャーというと、そのスポーツでの選手失格者が
仕方なくなるものと世間では思われているようだが、
それは大きな、失礼な誤解であることがほとんど。

彼は、最初からマネジャー志望で部に入っている。
野球選手としては小柄な部類に入る彼は、高校球児時代、小技の利く、
いわゆるユーティリティープレーヤー。
野球をするなら、一番強いリーグで。
彼の中での一番は、東京六大学。
しかし、そこでレギュラーを張れる力は自分にないことも彼はわかっていた。
一番強いところでという部分は譲れない。
ならば、サポートする側で野球にかかわろうと彼は決めた。

高校時代は、主将とともに大会抽選会場に出向く役を指名されるなど、
チームをマネジメントする能力にはたけていた。
自分にない力を手に入れようとあがくより、
自分の持っている力をさらに伸ばすことを選択。

高校時代に聞いた私の話は役立っている?と聞くと、
「ハイ!」と答えたはいいが、「どんなところで?」と突っ込むと、
「う~ん、炭酸飲料はよくないとか」と心もとない。
でも、「寮の食事担当のおばさんが一時いなくなった時、
僕が部員全員分の食事を作ったんです!」。

これはすごい。
安井達也君、今の君は、選手の時より輝いているかもしれない。

http://mainichi.jp/life/health/chie/news/20080218ddf035050027000c.html

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