2008年2月24日日曜日

予防できる?認知症:/下 早期発見で生活支援 絶望に直結しないよう

(毎日 2月21日)

佐藤雅彦さん(53)は約3年前、若年性アルツハイマー病と診断。
パソコンや携帯電話のナビゲーションシステムなどを使いこなし、
東京近郊に一人で暮らしている。

佐藤さんは、取引先で道に迷うなど異変を感じ、精神科医を受診、
医師から病名を告げられた。いずれ全介護状態になると知り、がくぜんとした。
気力が続かず、時間感覚が失われ、最近の事柄を思い出せない。

うつ状態になったが、若年認知症の家族会に出合い、
介護サービスなど役立つ情報を知った。
介護職の講座で話をし、インターネット上のブログに思いや体験も書く。
「認知症で、すぐ何もわからなくなるわけではない。
弱い部分を補えば仕事もできて、生活に張りが出る。
早期発見が“早期絶望”にならないよう、病名告知では
判断能力のあるうちにすべきことを助言するなど、暮らしへの配慮が必要」。

認知症予防の第2段階、機能低下後の対応はまだ手探り。
脳血管性の認知症患者が多い宮城県旧田尻町(現大崎市田尻地区)は、
東北大の協力で対策に乗り出し、早期発見・早期治療に力を入れる。
中心は、国保診療所やデイサービスセンターなどを併設する
「スキップセンター」(現大崎市民病院田尻診療所)。

対策の必要性を痛感したのは91年、在宅の高齢者約2300人の調査結果。
認知症の兆しがあるのに、専門医の診察を受けていない人が極めて多い。
アルツハイマー病による認知症は、塩酸ドネペジルという薬の服用で
進行を遅らせられる。
一定期間だが心理状態が安定、医師やケアマネジャーはその人の
趣味などを理解でき、生活支援を考えるのに役立つ。
血管性の認知症は、脳血管性障害を再発しないよう服薬が重要。
機能低下が始まると、記憶力など一部の機能は鍛えるのが難しい。

認知症診療対策室長を務める目黒謙一・東北大大学院教授は、
「予防プログラムも、健康な人とは違う内容が必要。
軽度の障害を正しく判定し、ふさわしい対応をすべき」。

介護予防事業のチェックリストは、本人に聞く形式で、限界がある。
センターは、独自のチェック方法(田尻式スクリーニング)も使っている。
「畑の種まきで、昨年に比べ困ったことはありましたか」など、
生活に即して変化を探る。
「自覚はなくても、本人はテレビのリモコンが操作しにくいといった
支障を感じていることが多い。暮らしに寄り添う視点が必要」。
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「おかしい」と感じたとき、どうしたらよいのだろう。
順天堂大の新井平伊教授に聞いた。

初期の場合は画像診断だけで分からない場合もあり、
もの忘れ専門の外来を訪ねてほしい。
認知症といっても、障害を受けるのは機能の一部。
連続性に難はあるが、記憶や思考力も瞬間瞬間はしっかりしている。
できることを楽しみ、充実して過ごすのが一番のリハビリ。

若年性は経済的打撃も大きいが、家族に精神的余裕があれば
病状にも良い影響を与えるので、家族への支援も大切。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/02/21/20080221ddm013100006000c.html

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