2007年9月22日土曜日

女性ホルモンが骨量維持 東大など、調節機能突き止める

(毎日新聞社 2007年9月7日)

骨を作る細胞に作用していると考えられていた女性ホルモンが、
骨を分解する「破骨細胞」の寿命を調節して骨量を維持していることを、
東京大などの研究グループが突き止めた。

女性ホルモンの欠乏によって、
閉経後に骨粗しょう症を発症するメカニズムの一端が明らかに。
新しい治療薬開発にもつながる可能性があり、
米科学雑誌「セル」(電子版)に掲載。

健康な人では、骨をつくる骨芽細胞と、骨を分解・吸収する破骨細胞との
働きが釣り合い、一定の骨量が保たれる。
閉経などにより女性ホルモンが欠乏すると、
このバランスが崩れ、骨粗しょう症を引き起こす。
しかし、そのメカニズムは分かっていなかった。

研究グループは、女性ホルモンに結合する受容体に着目。
骨表面の破骨細胞からこの受容体をなくしたマウスを、
遺伝子操作によって作った。
このマウスは、足の骨と背骨で骨量の低下がみられ、
破骨細胞の数が増えていることが分かった。

通常のマウスの破骨細胞に女性ホルモンを投与すると、
「アポトーシス」という細胞死を引き起こす遺伝子の働きが活発になり、
破骨細胞の細胞死が進んだ。

しかし、女性ホルモン受容体を持たないマウスの破骨細胞では、
遺伝子の働きに変化はなく、細胞死も進まなかった。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=54202

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女性ホルモンが骨代謝に影響を及ぼすことは知られていましたが、
メカニズムについては明らかではありませんでした。
今回は、エストロゲン受容体αに着目し、
この受容体を持たないと、破骨細胞のアポトーシスを引き起こさない。
つまり、この受容体の発現を促進するように働きかけることが、
骨量を維持するためには必要なこと。
今後、この受容体をモニターすることが重要になりそうです。

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