2008年8月3日日曜日

自殺予防へ先生育成 岩手医大、初の講座

(岩手日報 7月27日)


「シルバー先生の“こころ”と“いのち”に関する啓発事業」
公開講座(岩手医大神経精神科学講座主催)が初めて開かれた。
退職教諭や民生児童委員ら88人が参加し、
自死遺児支援や中学生を対象とした自殺予防に理解を深めた。

同事業検討委員で特定非営利活動法人(NPO法人)自殺対策支援
センターライフリンクの藤原匡宣さん(25)は、
「遺児を対象とした取り組み」と題して講演。

中学生の時に、母親を自殺で亡くした経験から、
「自死遺族は特別視されることも、励まされることも望んでいない。
ただ、残念な気持ちに寄り添ってほしい。
共感するための一言目は、『そうなんだね』。
それから『うん、うん』とうなずいて話を聞いてもらうだけでいい」。

同講座の智田文徳医師は、本県の自殺の実態と精神疾患について講演。
日本の自殺者が交通事故死亡者数の5倍以上の約3万3000人、
本県の自殺率が高いことを示した。

「精神科に来る子どもは増えており、大人が考えている以上に
子どもにとって自殺は近い。10年、20年先、苦しくなった時に
思い出してもらえる授業をし、少しでも自殺率を下げられれば」。

同講座の川村祥代臨床心理士は、2月に行ったモデル授業を紹介し
「みなさんの力、経験を生かして『シルバー先生』になってほしい」。

今後は、シルバー先生として活動したい人を対象に養成講座を開催。
希望する市内の中学校を調査し、豊かな人生経験を持つシルバー先生と
岩手医大の専門家が授業を行う予定。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080727_10

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