2007年8月10日金曜日

ボンズ:新記録樹立も薬物疑惑で祝福ムード一色とはならず

(毎日新聞 2007年8月8日)

賛否の声が交錯する中、米大リーグに新たな記録が打ち立てられた。
ハンク・アーロンさん(73)の通算最多本塁打記録に並んでいた
ジャイアンツのバリー・ボンズ選手(43)が、単独トップに立つ756号本塁打を放った。

しかし、禁止薬物使用で身体能力を高めての本塁打量産との疑惑のある
ボンズ選手だけに、最も華のある記録の達成にもかかわらず、
祝福ムード一色とはならなかった。

ナショナルズ戦の五回1死走者なしで迎えた打席。
ボンズ選手は打った瞬間、新記録樹立を確信した。
天を指さし、元大リーガーで4年前の8月に57歳の若さで亡くなった
父ボビーさんに報告してから、花火が上がる中をゆっくり走り出した。
ホームには妻と3人の子どもたちが、とびっきりの笑顔で待っていた。

名付け親で歴代4位の通算660本塁打のウィリー・メイズさん(76)とも
抱き合って喜びを分かち合い、「家族が支えてくれた」とボンズ選手は繰り返した。

4万3154人の観衆は、総立ちで見守った。
地元ファンだけはボンズ選手に温かく、
「ここのファンは自分にとって家族」と感謝した。

しかし、栄養補助食品会社、BALCO(バルコ)がスポーツ選手に
筋肉増強剤などを不正に提供していた事件が、暗い影を落とす。
米連邦大陪審は、意図的な薬物使用を否定したボンズ選手について
偽証の疑いで捜査を続けているとされる。

4日にサンディエゴで755号を放った際、
注釈付きの参考記録を意味する「*」印を記したボードを掲げるファンの姿も。
薬物使用の疑いがある以上、公式記録とは認めないという抗議。

バド・セリグ・大リーグ機構コミッショナーは新記録達成に立ち会わず、
アーロンさんもビデオで祝福メッセージを送ったものの、球場には姿を現さなかった。

試合後の記者会見でも、薬物絡みの質問が飛んだ。
ボンズ選手は、「この記録は決して汚れたものではない」と言い返した。
至福の時間も長くは続かず、気まずい空気が流れた。

http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/major/news/20070809k0000m050070000c.html

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これは、とてつもない記録。
毎年30本ずつホームランを打っても、25年以上はかかる。
確かに薬物疑惑はあるが、これはボンズ選手だけの責任ではない。
明らかに、ドーピング対策が遅れたメジャーリーグ機構側にも
責任がある。
もっと早く対策を講じていれば、このような問題は未然に防げたかもしれない。
ボンズ選手は、今のところ違反している訳ではないので、
とりあえずは、Congratulation! と言いたい。

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