2008年8月28日木曜日

回腸パイエル板の復帰増強作用

(元気びと)

日本食品免疫学会2006年度大会 発表要旨 2006年10月24日(昭和女子大学)

トウモロコシ由来水溶性アラビノキシランの免疫調節作用とその機構の解析
○木本裕1,高田正保1,小川浩一1,山本幹男1 岡持晋治2,松本一朗2,阿部啓子2 (1日食化エ㈱研究所,2東大院・農)

【目的】 アラビノキシランは、アラビノース、および、キシロースを主構成糖とし、
β-1,4結合を主鎖に持つ水溶性の難消化性多糖で、
トウモロコシ種皮に含まれるヘミセルロースの主成分。

アラビノキシラン標品(Corn Husk Arabinoxylan:CHAX)は、
マウスヘの経口投与により、種々の免疫調節作用を持つことが確認、
35~60歳の健常なヒトを対象としたプラセボ対照二重盲験試験により、
被験者のQOL向上、免疫系への作用が示唆。

本研究では、CHAXの免疫調節作用機序の解明を目指し、
マウス脾臓、腸管パイエル板における遺伝子発現変化について、
マイクロアレイ解析による検討を行った。

【方法】5週齢のC3H/Hej系雌マウスを1週間予備飼育後、
6匹ずつ3群に分けた。
21日間の試験中、摂餌、飲水は自由、
試験群ⅠはCHAX摂取量が50mg/kg-wt、試験群Ⅱは150mg/kg-wt
となるように、毎日強制経口投与。
対照群には、水のみを同様に投与。

試験後、脾臓、腸管パイエル板を摘出し、一部はマイクロアレイ解析に供する
サンプルとして保存。
脾臓は、常法に従って浮遊細胞を調製し、
ConA刺激後のIL-2、IL-4、IL-12、IFN-γ産生量について測定。
十二指腸、空腸、回腸で観察された腸管パイエル板の数をカウント。
脾臓細胞におけるサイトカイン産生量を指標とし、
平均的な値を示した各群2個体を選択、脾臓、腸管パイエル板より
総RNAを抽出して、マイクロアレイ解析に供した。

【結果】 脾臓細胞でのサイトカイン産生量は、IL-2、IL-4、IFN-γにおいて、
CHAX摂取量依存的な産生量の増加が見られ、
IL-2とIL-4では有意差が認められた。
腸管パイエル板数も、対照群と比較して有意な増加。

CHAX摂取により発現変化が認められた転写産物数は、
脾臓では69個、腸管パイエル板では307個、
腸管パイエル板でリンパ球の増殖・分化を示唆する遺伝子群の
発現亢進が認められた。

以上から、CHAX摂取は免疫系を賦活化し、腸管パイエル板を
介するプロセスであることが示唆。

http://genkibito.com/aract/a007.html

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