2008年8月25日月曜日

糖尿病体質示す遺伝子特定 日本の2グループ同時発表

(共同通信社 2008年8月18日)

成人が発症し、糖尿病患者の約95%を占める2型糖尿病の
なりやすさに強くかかわる遺伝子を、国立国際医療センターと
理化学研究所が中心となった2つのグループが、
日本人を対象にした別々の研究で突き止め、
米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に同時発表。

特定した遺伝子は「KCNQ1」。
従来、心臓の筋肉の動きに重要であることが知られていた。
この遺伝子の塩基配列にわずかな違いがあると、
2型糖尿病を発症する危険性が1・3-1・4倍に高まる。

2型糖尿病に関連する遺伝子は、欧米人対象の解析で数種類
見つかっていたが、アジア人で特定されるのは初めて。
予防のための体質診断や、新しい治療法の開発につながると期待。

両グループは、患者と一般人で、遺伝子の塩基配列が1カ所だけ異なる
「1塩基多型(SNP)」があるかどうかを調べ、
発症との関連を統計学的に分析。

国際医療センターの春日雅人研究所長らは、日本人の患者と
一般人計約8800人分を解析。
この遺伝子に特定のSNPがあると、血糖を下げるインスリンの
膵臓からの分泌を低下させる可能性があることが分かった。

理研の前田士郎チームリーダーらも計約9300人分を調べ、
この遺伝子が日本人患者の約2割の発症にかかわっていると試算。

両グループは、中国人、韓国人、シンガポール人、フィンランド人、
デンマーク人でもそれぞれ数千人規模で調査。
人種によらず発症に強く関連することを確認。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=78659

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