2008年9月7日日曜日

エコマジネーション・GEが考える環境と経営 「グリーン・オリンピック」の遺産

(日経 9月1日)

◆ゼネラル・エレクトリック

トーマス・エジソンを創業者とし、時価総額は42兆円超の世界最大の複合企業。
世界中に約30万人の従業員を擁し、テクノロジー、メディア、金融サービスまで
幅広い事業を100カ国以上で展開。
環境問題への取組みで、経営上の成長戦略でもある「エコマジネーション」
グローバルに推進

史上最多となる205の国と地域の選手たちが熱戦を繰り広げた北京オリンピック。
「グリーン・オリンピック」としても、大きな成果を上げた。

国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は、北京オリンピックが
中国に及ぼした影響について、大衆のスポーツ参加熱が生まれたこととともに、
中国人の環境への意識の高まりを強調。

GEは、エコマジネーションを通して大会をサポート。
中国の環境問題への取り組み、特に再生可能エネルギー分野への努力は、
これからも続いていく。

GEは、北京オリンピックのワールドワイド・パートナーとして、
北京周辺の多数のクリーン・エネルギー・プロジェクトにソリューションを提供。
北京周辺地域に電気を供給したのは、
北京の北部にある張北と尚義に作られた風力発電所。

GEは、風力タービン120基を提供。
北京、天津、唐山地域に、180メガワットという平均家庭40万世帯分もの
年間所要電力を供給。
二酸化炭素排出量を年間40万トン削減し、オリンピック後も、
この地域に持続的にクリーンなエネルギーを供給し続けることができる。

オリンピックを契機とした北京での水処理プロジェクトとして、
GEは北京東方の華北平原にある唐山市南堡汚水処理場にも、
逆浸透膜技術を提供。
汚水処理場では、毎日9万3千トン余りの水が浄化され、
きれいになった水は唐山市南堡経済開発区の工場で使用。
GEの水濾過技術は、清河汚水処理場にも使用、
オリンピック施設の景観保持にも役立った。

GEウォーター&プロセス・テクノロジーでは、
東莞市に2つの最新鋭の水処理施設を寄贈。
東莞市とその周辺村落の住民約6万人に、清潔な飲料水を提供。
きれいな飲み水を通じて、住民の健康増進にも寄与する。
同市には、移動式の水処理プラントも供給。
市の中心部から水を引けない地域のためのもので、
移動式の水処理システムは、中国では初めて。

◆環境意識の向上

中国の環境意識を高めたという側面では、
オリンピック・グリーン(オリンピック公園)のスポンサー村に建てた
「イマジネーション・センター」が挙げられる。

会場を訪れた人に、GEが提案する新たな時代とその道標を体験。
万物は、「木」、「火」、「土」、「金」、「水」の5元素から成るという
中国の五行説の考え方を根底に、
エナジー、ウォーター、ヘルスケア、トランスポーテーション、ライティングなど
数々のGEの事業が、環境に配慮した革新的な技術で、
北京大会のインフラ構築に貢献。

◆「エコマジネーション」とオリンピック・マーケティング

GEは、オリンピックというイベントの成功のためだけでなく、
地域の発展や環境問題への対応を長期的な視点から考え、
インフラ整備を政府と共に進めてきた。

北京オリンピックに関連するGEの売上げは、目標を上回る17億ドル。
半分以上は、全米でのオリンピック放送権をもつNBCの広告関連収入、
北京および北京周辺での合計400件にものぼる
インフラストラクチャー分野のプロジェクト受注により、7億ドルもの売上げ。

GEのダニエル・ヘンソン(マーケティング担当副社長)は、
「オリンピックは、GEの技術力を見せるショーケースであり、
増益をはかる好機でもある」
各国の政府、団体、企業は、あらゆる側面で「環境に配慮する姿勢」が
今後ますます求められる。

GEは、ソリューションを提供し、環境への取り組みを支援、
自社の成長を加速できるという手ごたえ。
より高次元の環境関連ソリューションの開発へと、
理想的なサイクルを描き出せる。

◆「グリーン・オリンピック」の遺産

聖火リレーにも参加した国連環境計画(UNEP)の
アヒム・シュタイナー事務局長は、「メディアが懸念している
『五輪期間中のみの環境保護』問題については、なんの心配もない。
中国の人たちは、クリーンな空気や良好な環境は自分たちの権利であり、
こうした権利は自分や国の努力を通じて実現できる」。
「これこそが、今回のオリンピックが中国に残す『遺産』だ」、
北京オリンピックの意義について述べた。

エコマジネーションを通じて、「グリーン・オリンピック」をサポートした
GEにとっても、嬉しい一言。
イベントから、日常生活へ。
北京オリンピックにはじまった中国のグリーン・エネルギー化への努力は、
これからも続く。
GEは、これからも革新的な技術でサポートしていく。

http://eco.nikkei.co.jp/column/ge/article.aspx?id=MMECcl000030082008&page=1

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