2008年9月3日水曜日

遺伝子入れインスリン細胞 体内で、糖尿病治療に期待 米ハーバード大が動物実験

(共同通信社 2008年8月28日)

膵臓に豊富に含まれる細胞にわずか3種類の遺伝子を組み込んで、
血糖を下げるインスリンを分泌する細胞へと体内でつくり変えることに、
米ハーバード大チームがマウス実験で成功、英科学誌ネイチャーに発表。
インスリンをつくれない糖尿病の再生医療に、応用が期待される成果。

再生医療の分野では、山中伸弥京都大教授が、
皮膚などの体細胞を未分化な状態に戻した新型万能細胞
「iPS細胞」が注目を集めている。

今回は、体細胞を未分化な状態にせず、直接別の細胞に転換できることを
初めて示した。万能細胞より、必要な細胞を早く得られる可能性がある。

チームは、膵臓の形成にかかわる約200種類の遺伝子の機能を調べ、
膵臓でインスリン分泌を担う「ベータ細胞」づくりに重要とみられる
遺伝子を絞り込んだ。

そのうち3種類を、膵臓の約95%を占める「外分泌細胞」と呼ばれる細胞に
特殊なウイルスで組み込むと、膵臓に1%程度しか含まれないベータ細胞と
そっくりな細胞に変えられることを突き止めた。

できた細胞は、3日後にインスリン分泌を開始。
10日後には、本物並みの分泌量に達した。
人為的に糖尿病の状態にしたマウスで実験すると、
遺伝子導入から1週間ほどで血糖が下がることも確認。
ただしこの細胞は、塊を形成しないなど、本物とは違う点もあった。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=79170

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