2010年12月4日土曜日

臓器模型 歯科技工生かし 大津の入れ歯メーカー、手術練習用に開発

(2010年11月30日 毎日新聞社)

義歯や入れ歯を作る歯科技工士(国家資格)の技術を生かし、
大津市内の企業が、臨床医向けの手術練習用臓器や
血管模型の開発に成功。

従来のシリコンなどの模型は、1個数十万円と高価だったが、
コンタクトレンズなどに使われる特殊樹脂で安価に実現。
国の「地域産業資源活用事業」にも認められ、
来年度の実用化を目指す。

同社は、龍谷大瀬田キャンパス内に本社を置く入れ歯メーカー
「聖和デンタル」。
歯科技工士は、金属加工や製陶などの各技術を駆使する専門職種、
労働時間の長さに対し、収入が限られ、
就職後5年以内の離職率は8割に達する。
同社では、技工士の待遇改善のため、
新分野の開拓に力を入れてきた。

目をつけたのが、コンタクトレンズや洗濯のりなどに使われる
ポリビニルアルコール(PVA)。
今までは強度が低く、細かい加工の難しい樹脂だったが、
10年前、マウスガードを作る過程で水分を調整して加工する機械を開発。

医師が実技練習に使う実験用ブタを、手術室で使える練習施設は
国内に3カ所しかなく、ゴムやスポンジの練習模型も小さなもので、
1個十数万円からと高価なため、頻繁に練習することは難しかった。

同社は、PVAを使ってメスで切ったり縫合した際の
人体の感触・強度の再現に成功。
外観の風合いや色なども、本物そっくりに仕上げた。

同社の岡野仁夫社長(46)は、
「今後は、内視鏡をのぞきながらの手術が中心になり、
医師の技術がより重要に。
なるべく安く量産し、医学生に使ってもらいたい。
医療ミスの減少につながれば」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/30/129060/

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