2010年12月4日土曜日

企業が社員の禁煙支援 くじけにくい工夫で 値上げも契機に

(2010年12月1日 共同通信社)

10月に大幅に値上げされたのを機に、
たばこをやめようと思っている人も多い。
禁煙補助の内服薬を使った医療機関による治療を受ける患者は急増、
医薬品メーカーの製造が間に合わない事態も。
企業が、社員の健康などに配慮し、
禁煙を支援する取り組みが広がっている。

「始めて2週間くらいは仕事中にいらいらすることが多くて
つらかったけれど、その後は楽になった」
東京海上日動火災保険の本店で営業を担当する岩瀬靖史さん(32)は、
10~12月、同社が実施する禁煙支援プログラムに参加。
1日10本程度吸っていたが、「10月以来1本も吸っていません」。

2007年から毎年実施、ことしは全社で過去最高の146人が参加。
1人ではくじけやすいのでは、と原則2人一組で禁煙に
チャレンジしてもらうのが特徴。
岩瀬さんは同じ課の後輩、竹内将史さん(24)を誘った。
「値上げがちょっと痛いな、と思っていたところに
先輩から声をかけられ、決心した」と竹内さん。

参加者には、ニコチンガムなどの禁煙補助剤を使ってもらい、
徐々にニコチン依存度を低下。
看護師が、生活で気をつける点や気分転換の方法などについて、
きめ細かくメールを送って応援。
昨年までの達成率は、参加者の30~40%台、
「今年は、ぜひ50%を超えてほしい」、
健康管理室でプログラムを担当する保健師の太田一果さん。

来年4月、グループ企業のほぼ全事業所で、
休憩時間以外の就業時間内の全面禁煙を決めたのがオリックス。
三十数社の社員約1万3千人が対象。
7月から、各事業所で喫煙室を1カ所に集約。
来年7月、すべての喫煙室を閉鎖する方針で、
事実上、職場ではたばこを吸えなくなる。

担当する人事部所属の産業カウンセラー藤田万寿美さんによると、
「医薬品や食品メーカーでは、全面禁煙を実施する企業も出てきているが、
まだ非常に珍しい措置」
もちろん締め付けるだけではなく、サポートも拡充。

病院の禁煙外来で治療を受け、完治したとの終了証明書をもらえば、
健康保険治療の自己負担分の約2万円のうち、
1万円を会社が補助する「卒煙キャンペーン」を10月から導入。
来年3月までの予定、その後は健康保険組合が主体となり、
継続することも検討中。
産業医によるセミナーや個別面談なども実施。

オリックスグループの喫煙率は男性43%、女性18%、
ここ数年低下傾向にある日本人の喫煙率に比べ高い。
「いつかはやめようと思っていたので、いい機会だ」、
喫煙派の反応は肯定的なものが多い。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/1/129107/

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