2007年11月14日水曜日

肥満は世界的問題

(Medscape 10月22日)

肥満は現実に世界中に広がっており、
健康と疾患に関する世界的規模の問題になっている。

世界全体の肥満率を検討する過去最大規模研究より、
男性では60%以上、女性では50%以上が過体重または肥満であることが判明。
肥満は、世界のあらゆる地域で深刻化している問題であり、
伝統的には細身のアジア人集団でさえ例外ではない。

フランス国立医学研究機構(French health service INDERM)の
Beverley Balkauは、「過体重は世界中に広がっており、
全被験集団の1/2-2/3が過体重または肥満である」。

●世界中に広がる肥満

5大陸にわたる63カ国の男性69,409名、女性98,750名を対象に、
体重、身長、心血管疾患(心疾患、脳卒中)、糖尿病、胴囲について評価。
米国は、この研究には含まれず。

胴囲は、心疾患、糖尿病などの肥満関連疾患の重要なマーカーである。
男性では40インチ(約102cm)以上、女性では35インチ(約89cm)以上が
これらの疾患のリスク因子。

被験者は、体重、身長、胴囲、既往歴に関する詳細なデータを収集。
これにより、肥満の世界的罹患率が垣間見えた。
体重と身長の測定値から、肥満指数(BMI)を計算。
BMIとは、その人の身長に対する体重の割合であり、
肥満および過体重を判定するのに用いられる。

男性の40%、女性の30%が、過体重の基準(BMI:25-29.9)を満たした。
男性および女性の1/4が、BMIの肥満(BMIが30以上)を満たした。
肥満率は、南アジア・東アジア諸国に居住する男女の7%から、
カナダに居住する男女の36%まで、地域によって異なっていた。

男性では3人に1人弱、女性ではほぼ半数が
それぞれ胴囲40インチ以上および35インチ以上であり、
心疾患および糖尿病の高リスク群に分類。
男性の16%、女性の13%は心疾患、
また男性の13%、女性の11%は糖尿病と診断。

胴囲が最高群の人は、胴囲が最低群の人より、心疾患を有する確率が2倍以上。
4段階に分けた胴囲の最高群における糖尿病のリスクは、
男性では最低群の3倍、女性では最低群のほぼ6倍。

●肥満傾向を逆転させる必要

南アジア、東アジアに居住している人たちは、
肥満および胴囲について他地域の集団より良い結果であったが、
肥満率も上昇しつつある。

メイヨー・クリニック・ジャクソンビル分院(Jacksonville branch of the Mayo Clinic)の
Gerald Fletcherは、「肥満が世界的な問題であることはわかっていたが、
この研究はそのことを実際に示した過去最大規模の研究である」。

この傾向が逆転しなければ、肥満関連疾患による死亡が大幅に増えるだろう。
Fletcher博士は、この問題に対処するには大きな公衆衛生上対策が必要。
「そうした対策が、喫煙の減少に奏効した。
肥満率を低下させるためには、同じような熱心な取り組みが必要」。

Balkau, B., Circulation, Oct. 23, 2007; online edition. Beverley Balkau, PhD, director of research, INSERM, Villejuif, France. Gerald F. Fletcher, MD, professor of medicine, division of cardiovascular disease, Mayo Clinic Jacksonville; spokesman, American Heart Association.

http://www.webmd.com/diet/news/20071022/global-problem-obesity

0 件のコメント: