2007年12月21日金曜日

最前線:特徴ある健康食品開発--味の素・健康事業開発部、鈴木信二部長

(毎日 11月19日)

味の素は、食品や医薬品に続く成長分野として、健康事業を強化。
安全性や効能が科学的に実証された健康食品の開発に取り組む
健康事業開発部長の鈴木信二さん(51)に、
海外展開など今後の戦略を聞いた。

--どのような研究開発を目指していますか?

◆肥満予防や生活習慣病の改善などに、焦点を当てている。
天然由来の素材を開発し、人による試験を通じて
食品の安全性や有効性を調べる。
味の素グループ内の「健康基盤研究所」などと協力しながら
商品開発を進め、これまで4商品の開発に成功。

--顧客層は?

◆健康に関心の高い40~60代の顧客が多い。
「味の素の健康食品」として信頼を得ているようだ。
ただ、成長が期待される健康食品の市場は参入が多く、
競争が激しいので、特徴ある商品で顧客にアピールすることが重要。

--開発した商品の特徴を教えてください。

◆第1弾として開発したのがアミノ酸のひとつ、
グリシンを使った健康食品「グリナ」
体内で重要な役割を担うグリシンが、「さわやかな朝をサポートする」
という商品で、05年8月の発売以降、9万人を超える顧客が購入。

「かつおの力」は、アミノ酸やミネラルなど
27種類の栄養素が含まれているカツオだしに着目。
1袋をお湯に溶かして飲めば、みそ汁8杯分のカツオだしを摂取。

--通信販売に特化する狙いはなんですか?

◆新聞広告で宣伝して、興味を持って電話をかけてきた
顧客に販売するケースが多い。
健康食品に関心を持つ顧客は、商品の特徴や食べ方など
詳しい説明を求める方が多い。
オペレーターから直接説明を受ければ、安心して購入できる。

--海外展開も進めています。

◆肥満が深刻な米国では、医師を通じて、サプリメントの
「カプシエイト ナチュラ」の販売を今年7月に始めた。
タイで栽培した辛くないトウガラシから抽出した新しい成分
「カプシエイト」が健康をサポート。
今後は、欧州や中国などへの進出も検討したい。

--味の素グループの健康事業の位置づけは?

◆グループ全体の2010年度の売上高目標は1兆5000億円で、
そのうち健康事業は2000億円。
健康事業開発部では、新商品の投入や既存商品の販売拡大などで、
2000億円の5~10%程度を稼ぎ出すようになりたい。
乳酸菌の技術をもった子会社のカルピスと共同での商品開発も検討したい。
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■人物略歴

一橋大卒業。79年、味の素入社。
食品事業本部営業企画グループ長を経て、
02年から健康事業開発部長。長野県出身。51歳。

http://mainichi.jp/select/biz/news/20071119ddm008020111000c.html

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