2007年12月16日日曜日

新しい波/248 ドーピング対策/上 基準、世界レベルに

(毎日 7月7日)

来年の北京五輪を目指す選手は、パソコンが必需品に。
選手は、アンチ・ドーピング(反禁止薬物使用)管理システム
「ADAMS」にアクセスして練習場、自宅など
「居場所情報」を日常的に提供し、抜き打ち検査に備えなければならない。

検査を実施する日本アンチ・ドーピング機構(JADA)によると、
ADAMSには日本オリンピック委員会(JOC)の
強化指定選手ら約1000人が登録。

悪質な違反例が少ない日本の選手には窮屈とも思えるシステムだが、
抜き打ち検査をはじめとする厳しいドーピング対策は今や世界の大きな流れ。

かつて取り組みの遅れが指摘された日本も、
国際的な流れに沿って対応を急ぎ始めた。
政府は昨年12月、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が定めた
「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約」(ユネスコ規約)を締結。

03年3月に採択された世界反ドーピング機関(WADA)規定に基づいた
スポーツ団体の自浄作用だけではなく、
国を挙げて取り組む宣言をしたことを意味。
世界では56カ国(6月1日現在)が締結。

文部科学省は、今年5月9日に
「スポーツにおけるドーピングの防止に関するガイドライン(指針)」を策定、
JADAも日本ドーピング防止規定を発効。
いずれも、WADA規定に準じたもので考え方に大きな違いはない。

しかし、指針には、選手が違反で処分されたり、指針を順守しない時に、
所属競技団体などへの補助金を停止することが盛り込まれた。
居場所情報の提供も、競技団体の義務として挙げられたもので、
守らなければ補助金が止まる。
国を挙げての取り組みであることを反映した項目。

防止規定でも、違反した選手への聴聞会の実施主体が
従来の競技団体からJADA規律パネルに変わった。
これで公平性が確保され、競技団体による「身内に甘い」処分はできない。

JADAの浅川伸事務局長は、
「世界で日本だけが低調な取り組みでいいはずはない。
これで日本も国際基準に達した」。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070707ddm035070078000c.html

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