2007年10月6日土曜日

ノルディックウォーキング



(毎日新聞 2007.9.19)

フィンランド生まれの新しいスポーツ「ノルディックウォーキング」。
2本のポールを使って歩くことで、通常のウォーキングに比べ運動強度が高く、
消費エネルギーが2割もアップするのが特徴。
足腰への負担が軽く、中高年も安心して楽しめる。

フィンランドのクロスカントリースキーの選手らが夏場のトレーニングとして、
ポールをもってハイキングやランニングをしたのが始まり。

1990年代後半にその運動効果が発表されると、
年齢を問わず手軽にできるエクササイズとして急速に人気。
欧州を中心に、約600万人の愛好家。
今年1月、日本ノルディックフィットネス協会(仙台市)が設立。
高橋直博事務局長は、「ストックのような専用ポールを地面について
上体を前に押し出しながら歩くので、歩幅が大きくなり、
通常のウォーキングに比べエネルギー消費が約20%上昇。
足腰にかかる負担は、15~25%程度軽減」。

ポールが杖となるので、高齢者にも安全。
下半身だけでなく、二の腕や胸、背中の筋肉もバランスよく鍛えられる。

メタボ対策として、医療関係者も注目。
ウェルネスササキクリニック(東京都板橋区)では、初期の高血圧や
糖尿病患者らを対象に運動療法の柱として、ノルディックウォーキングを導入。
佐々木巌院長は、「通常のウォーキングより短時間で質の高い
全身運動ができるので、忙しい中高年にもぴったり」。

筋力トレーニングなどと組み合わせて、9カ月間運動を続けた
男女19人(平均年齢71歳)の平均腹囲が87センチから84センチに減少。
誰にでも手軽に安全にできるスポーツという認知が高まるにつれ、
病気のリハビリや介護予防、体力増進を目的に導入する
病院や自治体が増えているという。
ノルディックウォーキングで、バランス能力が高まり、転倒予防に効果-
こんな仮説をもとに、60~70歳の女性を対象にした研究もスタート。
東北福祉大予防福祉健康増進センター(仙台市)が、
宮城県山元町の協力を得て実施。
「高齢者は、転倒をきっかけに寝たきりになるケースが多い。
全身のバランス機能の向上で転倒予防につながり、
健康寿命を延ばすことができるかもしれない」。
最近は、体験教室やイベントも各地で開かれている。
「元気学校」(東京都千代田区)校條諭社長は、
「ジョギングなどと違って、会話を楽しみながら歩けるのも魅力。
友人や夫婦でこのスポーツの快感をぜひ体験して」。

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