2007年12月24日月曜日

最前線:生活の変化に柔軟対応--エステー・小林寛三社長

(毎日 11月5日)

芳香剤や防虫剤のトップメーカーのエステーは、
「エステー化学」の社名から8月1日に「化学」を外して再スタート。
昨年、創業60周年を迎え、化学以外に事業を展開していく姿勢。
創業家以外から初めて経営トップに就任した小林寛三社長に、
新生エステーの経営戦略を聞いた。

--新社名の狙いは、「化学にとらわれない」ということですか?

◆社名に「化学」がつき、試験管を振って開発した商品でなければいけない
雰囲気が社内にありました。
生活環境の変化は早く、新築マンションにはウオークイン・クローゼットが
ついているのに、洋服ダンス用の防虫剤しかなかった。
家庭の消費者を理解するのに、「化学」はなくてもいい。
柔軟に自由に発想し、いろいろな事業にチャレンジしたい。

--社名変更後に発売した商品には、どんなものがありますか。

◆温水洗浄便座のノズルを泡で洗う「パワーズ ノズルウォッシュ」も、
生活の変化に対応した新商品。
トイレの消臭芳香剤では、コンパクトなキューブ(立方体)型を出しました。
いかにもトイレの消臭剤といったものでなく、デザイン性を高めました。
すねやふくらはぎを引き締め、スリムに見せる女性用の立体着圧ソックスは、
これからの方向性を占うものです。
「化学」が取れて、美容と健康をサポートする幅広い商品が出しやすい。

--これまでの商品はどう強化しますか?

◆防虫剤で創業し、においのしない「ムシューダ」をヒットさせ、
除湿剤「ドライペット」を日本で初めて作りました。
消臭芳香剤「消臭力」シリーズは、年間4000万個以上を売るメガヒット商品。
使って楽しいとか、癒やされるとか、情緒に訴える商品を出していきたい。
付加価値の高い商品でないと、後発品に追いつかれ単価も下がります。
品種を削減して強い商品を育てます。

--海外展開はどうですか。

◆昨年から米ウォルマートの約3200店舗で、除湿剤や脱臭炭を販売。
水がたまったり、炭が減ったりして効果が見て分かりやすいので、
米国でも受け入れられました。
韓国では、今春に家庭用品第2位のメーカーと合弁会社を設立し、
消臭芳香剤などを販売。

--どのように商品開発をしていますか。

◆全社員から意見募集するイベント「アイディアのたまご」を8月に行いました。
555件の応募があり、生活に密着した商品のアイデアが集まっています。
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■人物略歴

80年中央大商学部卒、エステー化学工業(現エステー)入社。
専務執行役製造部門担当兼R&D部門担当などを経て、
07年4月から現職。東京都出身。50歳。

http://mainichi.jp/select/biz/news/20071105ddm008020057000c.html

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