2007年12月26日水曜日

最前線:夢ある商品売り出す--第一フロンティア生命保険・高野茂徳社長

(毎日 11月26日

12月22日に全面解禁を控えた保険の銀行窓口販売。
巨大販売チャンネルの登場を前に、大手各社が「次の一手」を模索するなか、
業界第2位の第一生命保険の窓販専門会社として
10月1日に営業開始したのが第一フロンティア生命保険

国内の生保会社が全額出資の生保子会社を新設するのは史上初。
戦略を、高野茂徳社長に聞いた。

--窓販専門会社設立の背景を教えてください。

◆第一生命の主力商品は、死亡保障性商品。
これを営業職員で売るという伝統的スタイル。
しかし、窓販となるとチャンネル(販路)が違う上に売る商品も変わる。
全面解禁後も、しばらくは変額年金が売れ筋。
リスクの面でも、死亡保障性商品は文字通り死亡リスクに対し、
変額年金は投資リスク。
売れている年代層も変額年金は50代以上がほとんど、
と全く違うことに気付いた。

--窓販専門子会社の強みはなんですか。

◆変額年金のライバルは、投資信託や株などの金融商品。
金融商品の「賞味期限」は短い。
市場の変動に応じ、商品を発売できるよう機動性を高める。
とりわけ、変額年金の販売では機動性がキーになる。

--元本保障型変額年金以外の商品発売も考えているのですか。

◆単純に、第一生命と同じものを出す気は全くない。
ただ、お年寄りの関心事の一つに老後の健康というのがどうしてもある。
だから、変額年金の付加価値として(医療保険など)
第3分野商品が必要なら、そういうものも視野に入れていく。

--販路に関する今後の戦略は。

◆販売してもらえるのなら、どこの銀行でも歓迎。
第一段階として考えているのは、第一生命の代理店を
そっくり引き継ぐことだが、(系列外の金融機関であっても)誰でも歓迎。

--販売後の顧客ケアも重要です。

◆入ってもらった後のフォローは最も大事。
他社が我々をまねできないのはそこ。
人数をできるだけ減らし、コストを落とす。
一方で、例えば苦情を受け付けるコールセンターだけは自前でやる。
顧客の声を聞き、内容を分析してサービス向上に役立てたい。

--今後の目標は。

◆5年で預かり総資産1兆円。
親会社の第一生命には資産規模では追い付けないが、
夢のある商品を売り出すことでは負けないようにしたい。
例えば、近い将来、外貨建て年金を売り出すとして、
為替変動リスクを回避するために1年に1度、
夫婦で海外に行ってもらうようにするとか。
いずれは、第一フロンティアがグループの両輪の一方を担いたい。
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■人物略歴

東北大法学部卒。72年第一生命保険入社。
06年11月、同社専務執行役員を退任、12月第一フロンティア社長、
07年8月第一フロンティア生命保険社長。57歳。

http://mainichi.jp/select/biz/news/20071126ddm008020121000c.html

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