2008年1月8日火曜日

太陽観測衛星:米サイエンス誌が「ひので」を特集

(毎日 12月7日)

7日発行の米科学誌「サイエンス」が、
昨年9月に打ち上げられた太陽観測衛星「ひので」の最新成果を特集。
日本や欧州、米国の研究者による論文9本がまとめて掲載。
太陽風の吹き出し口を初めてとらえたり、太陽表面と上空の大気(コロナ)の
極端な温度差の理由に迫るなどの成果を報告。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の坂尾太郎准教授(太陽物理学)らの論文は、
太陽風の吹き出し口を初めて発見。

太陽から大量に放射されている、超音速の電離した
陽子・電子(プラズマ)の流れが太陽風。
地球の磁場に影響を与えたり、人工衛星通信の信号を乱すほか、
オーロラの原因にもなっているが、
太陽のどの部分から放出されているかは分かっていなかった。

坂尾准教授らは、「ひので」のX線望遠鏡で、
黒点など磁場の強い場所の上空に明るく輝く「活動領域」を観測。
領域の端から放射状に上空に伸びた磁力線に沿って、
X線を放射する100万度のプラズマが秒速140キロ前後で常に流出。
太陽風として宇宙空間に放出される粒子の質量は、毎秒約100万トン。
観測したプラズマの量はその4分の1に達する。

今後も、複数の専門誌が「ひので」特集号を予定。
ひので科学プロジェクト長の常田佐久・国立天文台教授は、
「ひのでの成果が、太陽物理学の教科書を
何カ所も書き換えることは間違いない」。

http://mainichi.jp/select/science/news/20071207k0000m040176000c.html

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