2008年1月9日水曜日

北米全体で成長中のリサーチパークにも欠点?

(nature Asia-Pacific)

大学リサーチパークは、
特に米国とカナダで科学的活動のモデルとして、人気が高まっている。
目的志向の環境が企業と学界との連携を育んでいるが、
これは雇用の創生、知的財産の創出、企業および学界における
仕事に向けた研究者の育成を目的としたもの。
このコンセプトは、成功しているように見える。

米国Association of University Research Parks(AURP)の調査で、
リサーチパークは、企業および地域経済の活性化に寄与している
http://www.aurp.net/)。
リサーチパークは、北米全体で計12万5千人ほどの研究開発に従事する
科学者を擁しており、約5分の1が医薬品および診断部門で活動。
ビジネスも活気づき、過去5年間のうち、59のリサーチパークで750社設立。

しかし、良い知らせばかりではない。
AURPは、リサーチパークが依然重要な課題に直面、
特に商品化技術、参加企業の多様化、利潤性における課題である。
実際、当初の750社のうち、その後13%が脱落。

リサーチパークが大学に及ぼす影響は、さらに懸念される。
カナダのトロント大学商学部教授のRichard Florida氏は、
大学は、製品や地域の成長のための新しいアイデアを繰り出す
エンジンに過ぎない、という考え方を助長している点で、
リサーチパークを非難している。

リサーチパークに欠かせない産学連携の類は、
他のプロジェクトを犠牲にして、応用科学のプロジェクト数を増加させ、
大学研究に影響を及ぼしうる。

大学は、知識の創生、才能の育成への役割がはるかに重要である、と。
参加する科学者は、リサーチパーク興隆の
好影響ならびに悪影響について認識すべきである。
大学は、関係するリサーチパークがどんなに大規模化しても、
確実に基礎研究を最優先事項とすることに注意を払う必要がある。

Nature Vol. 450, P. 451, 14 November 2007

http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=63

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