2008年3月22日土曜日

スポーツ21世紀:新しい波/263 陸上・実業団選手登録/7止

(毎日 3月14日)

選手を取り巻く環境の変化に応じて、登録の規則を見直した競技団体も。
卓球では原則として、高校生・大学生は学校の選手として登録。
日本卓球協会は、ナショナル(日本代表)チームとジュニアナショナルチームに
入った選手に限り、高・大生にも契約企業名での登録を認めた。
早大の福原愛は、スポンサーであるANAの所属として大会に出場。

木村興治専務理事は、「選手や卓球の発展を支えてくれる
企業の立場を認めるのは当然」。
世界レベルで戦う選手は多額の経費がかかり、
スポンサーが不可欠な現状を反映。
対象を代表レベルに限ることで、学校の立場も尊重。

全国高等学校体育連盟は、企業との契約などで金銭を得る
プロ的な高校生選手も、高体連の事前承認を条件に、
高校総体に出場できる規定を設けた。

サッカーやテニスなどプロ登録がある競技では、
プロ選手の高体連登録自体を認めていない。

しかし、卓球やスケートなどプロとアマの区別がない競技に関しては、
規則では競技により金品を得ることを禁じていたが、
厳格に適用するとトップ選手が出場できず、扱いが議論。
福原が青森山田高に在学中は総体出場を認めたが、特例扱い。
このケースが、今後は正式に受け入れられる。

梅村和伸専務理事は、「トップの子供たちにダメとは言えない。
各競技でプロの定義を明確にしてほしいが、それができない競技の選手に
不利益が生じないよう実態を考慮した」。

日本陸上競技連盟では、中高生について、
学校とクラブの両方で登録することを認めた。
学校での登録が原則だったが、指導教諭や陸上部そのものがなく、
地域のクラブチームで活動する選手が増えている実情に配慮。
環境の変化は、競技の底辺でも起きている。

選手登録の制度は、競技の根底を支えるもの。
見直すにしても、全体の秩序や将来の競技のあり方も見通し、
慎重になされる必要がある。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

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