2008年3月20日木曜日

乳がん転移助長のたんぱく質特定 「悪玉ボス」の役割

(毎日新聞 2008年3月13日)

乳がん細胞の中で、がんの増殖転移能力を制御するたんぱく質を、
米カリフォルニア大の厚井重松輝美
ローレンス・バークレー国立研究所研究部長らが突き止めた。
転移を助ける遺伝子群を活性化し、抑制する遺伝子群を抑えるといった、
がん増殖転移の「悪玉ボス」の役割。

がんは、隣接する細胞に侵入し正常な細胞を壊したり、
離れた細胞に浸出してがん細胞を増やし腫瘍を作るなど、
さまざまな過程を経て転移するが、がん細胞の転移能力を
制御する仕組みはほとんど分かっていなかった。

厚井重松部長らは、リンパ球の一種T細胞の分化や活性化に
不可欠なたんぱく質「SATB1」が、他にも多くの遺伝子の働きを
制御していることに着目。

1318人の乳がん細胞を調べ、SATB1発現が多い人ほど死亡率が高い。
悪性度の高いヒトの乳がん細胞をマウスの尾から血管内に移植すると、
9週間後に肺に転移し増殖。
しかし、遺伝子レベルでSATB1を発現しないようにすると、
増殖転移が抑えられた。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=69360

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