2008年3月22日土曜日

アルツハイマー病:老人斑なくても発症 大阪市大発見、治療法開発も

(毎日 3月16日)

アルツハイマー病の確定診断の指標の一つで、
患者の脳に必ず見られる老人斑(アミロイド斑)がなくても、
発病する場合があることを大阪市立大などの研究チームが発見。
知られていなかった遺伝子の変異が見つかり、
発症メカニズム解明や治療法開発につながる可能性。

老人斑は、アミロイドβというたんぱく質が数珠状につながってできる。
脳に蓄積すると、神経細胞が死んでしまい、記憶障害など
アルツハイマー病の症状が出る。

富山貴美・大阪市立大准教授(脳神経科学)らが、
若年性アルツハイマー病患者の遺伝子を調べたところ、
アミロイドβを作る遺伝子の一部が欠損している例を発見。
患者の脳に老人斑は見つからず、
アミロイドβ分子が数個結合した重合体だけ。

研究チームの森啓・同大教授によると、
多くのアルツハイマー病患者の脳には、老人斑とともに
アミロイドβの重合体が見られる。
ラットを使った研究では、この重合体が神経細胞同士の情報伝達を阻害し、
認知症のような症状を起こす例が報告。

森教授は、「アルツハイマー病は、アミロイドβの重合体があるだけで
発症する可能性がある。老人斑にターゲットを絞った現在の診断や
治療法を見直す必要性があるかもしれない」

http://mainichi.jp/select/science/news/20080316ddm003040047000c.html

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