2008年3月26日水曜日

ナマコの皮膚からヒントを得た新素材

(Science 3月7日)

ナマコの皮膚とよく似た方法で、硬い柔らかいという状態を
変化させることができる新素材を開発。

このような素材は、生体用インプラントに使用されるようになる。
一例としては、脳に埋め込む微小電極の保護鞘。

この素材であれば、埋め込み時には硬いがその後柔らかくなり、
周辺組織への影響が軽くて済む
(パーキンソン病、脳卒中、脊髄の損傷の治療に使用されている微小電極は、
硬いインプラントの周辺に瘢痕組織が生じ、時間の経過に伴い効果が弱まる)。

Jeffrey Capadonaらは、弾性のある共重合体混合物に
セルロースナノ繊維、つまり「ウィスカー」を添加
水素結合を引き起こす溶剤を加えると、溶剤により繊維間の結合が破壊され、
素材は柔らかくなる。
溶剤が蒸発すると、ウィスカーの網状構造が再形成され、素材は硬くなる。

被嚢動物として知られる固着性の海洋生物の外皮から採取した
セルロースウィスカーを使用、木材や綿といった再生可能な資源からも
同様のナノ繊維が採れるであろう。

"Stimuli-Responsive Polymer Nanocomposites Insipred by the Sea Cucumber Dermis,"

J.R. Capadona; K. Shanmuganathan; D.J. Tyler; S.J. Rowan; C. Weder at Case Western Reserve University in Cleveland, OH;
J.R. Capadona; D.J. Tyler; S.J. Rowan; C. Weder at Louis Stokes Cleveland DVA Medical Center in Cleveland, OH.


http://www.sciencemag.jp/highlights.cgi?_issue=98#415

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