2008年7月23日水曜日

むくみ:足動かし、解消 長時間同じ姿勢・女性・高齢者……要注意

(毎日 7月4日)

夏は案外、足や顔などにむくみが起きやすい。
長時間のデスクワークや立ち仕事の多い職場では、特に生じやすい。
むくみの解消法を知っておきたい。

◆夏の発症多く

体をあまり動かさないと、動脈側の毛細血管から染み出た水分が
静脈側で再吸収されず、細胞と細胞の間にたまったままに。
その結果、足や顔などの皮膚にたるみが出てくる。これが、むくみだ。

夏にむくみやすいのは、気温が上がり血管が開きやすくなるため。
足で起きやすいが、顔でも生じる。
上まぶたを縦につまみ、つまんだ跡が残るようなら、むくみの兆候。

どんな人に生じやすいのか?
東海病院下肢静脈瘤・リンパ浮腫・血管センターの平井正文センター長は、
(1)同じ姿勢で長時間、作業をしている人、
(2)下着を強くしめつけている人、
(3)やせている人、
(4)女性、
(5)高齢者
で目立つ。

◆昼が効果的

むくみを解消するには、細胞間にたまった水分を血管に押し戻す必要。
最も効果的なのが、足の筋肉を動かすこと。
平井さんは90分間、じっとすわったままでいて、むくみの生じた人に、
さまざまな運動を試みてもらった。

その結果、効果的だったのは、
(1)すわったままの姿勢で足首を上下に動かしたり、回したりする
(2)足を上げて、自転車をこぐようにひざの関節を動かす、
という運動。
この運動後には足の太さが、ふくらはぎをマッサージする場合に比べて、
数ミリ細くなり、むくみの解消効果が確認できた。

平井さんは、「足の筋肉を動かした効果で、細胞間にたまっていた水が
静脈に戻されたのではないか」。

むくみは夕方~夜がひどい。
昼間に足を動かし、むくみを軽くしておくと翌朝にもちこさなくて済む。
足首の運動は、飛行機の長旅で生じるエコノミークラス症候群
(静脈血栓塞栓症)にも有効。

平井さんは女性10人を対象に、弾性ストッキングを着用した場合と
しない場合で足の太さを測った。

その結果、ストッキングをした方が着用しないより足首が数ミリ細い。
むくみやすい人は、弾性度の強いストッキングがお勧めで、
今年4月から、医師の指導料や弾性ストッキングの着用に健康保険が適用
糖尿病が原因で、血行障害を招いている可能性がある人は、
ストッキング着用で血行が悪化する恐れ。
使用前に、主治医と相談するのが賢明。

◆病気の場合も

病気が原因で生じるむくみも。
広田内科クリニックの廣田彰男院長によると、
(1)朝になってもむくみがとれない、
(2)むくみに加え息切れがしたり、尿が出にくい、
(3)体重が増える、
(4)足だけでなく、顔や手にもむくみが出る、
などの症状がある場合には要注意。

腎疾患や肝硬変などの原因が考えられる。
乳がんなどの手術後には、リンパ浮腫というむくみが足に起きる場合も。
「いつもと異なるむくみが現れたときには、内科を受診してほしい」。

http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2008/07/20080704ddm013100192000c.html

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