2008年7月26日土曜日

アスタキサンチンの抗炎症メカニズム判明炎症を上流で断ち、 COX2の特異的な阻害も

(日経ヘルス 5月29日)

「炎症」は、腫れや痛みといった“症状”を引き起こすばかりでなく、
内臓障害やアレルギー、生活習慣病、加齢性の疾患などを引き起こす原因。
動脈硬化や糖尿病といった生活習慣病が、サイトカインやエイコサノイド
といった炎症性メディエーターによって起こる「慢性の炎症」によるもの。

生活習慣病予防や進行の抑制、アンチエイジングのため、
炎症をいかに抑えていくかが重要。

ヤマハ発動機の研究で、炎症が起こる過程で「アスタキサンチン」
その上流の複数のプロセス抑えることがわかってきた。

アスタキサンチンは、サケ、イクラ、マダイ、エビ、カニなどに含まれる
赤からオレンジを呈する天然の色素成分。
βカロチンやリコピンと同じカロチノイドの一種。
強力な抗酸化作用がある。
ヘマトコッカス藻が、最も高濃度にアスタキサンチンを含み、
機能性食品としてのアスタキサンチンの多くは、ヘマトコッカス藻から生成。

炎症では、物理的刺激や化学的刺激、薬物といった
イニシエーターの刺激により、脂肪細胞やマクロファージなどから
炎症性メディエーターが放出、組織障害が引き起こされる。
炎症性メディエーターには、サイトカイン、エイコサノイド、ヒスタミンなど。

インターロイキン(IL)も、サイトカインの一種。
IL-6は、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患に関与し、
IL-8は、非感染性の炎症疾患に関与する。

ヤマハ発動機では、アスタキサンンチンがインターロイキンの放出に及ぼす
影響を見るため、ヒト末梢単核細胞を、グラム陰性菌の細胞壁表層にある
リポ多糖類であるLPSと、たんぱく質・コンカナバリンA(ConA)で刺激し、
アスタキサンチンを添加して培養し、放出されたインターロイキンを測定。

その結果、IL-6、IL-8ともに濃度依存的に細胞からのインターロイキンの
放出が抑えられ、アスタキサンチンがIL放出を抑える。

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20080529/101845/

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